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「慰楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

慰楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
すむ。その上その位な費用なら、そう云えば老妓は快くくれた。そしてそれだけで自分の慰楽は充分満足だった。柚木は二三度職業仲間に誘われて、女道楽をしたこともあるが、....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
愛着を感じた。 指一本触らずに置いて来た金包みのうちに、彼女は自分等の永久的な慰楽が包蔵されていたような心持がして、禰宜様宮田はまるで聖者の仮面を被った悪魔、....
惜別」より 著者:太宰治
、一群の著述家の精神的な啓蒙によって口火を切られたのです。Materiell の慰楽を教化の手段に用いる事はしなかった。そこに、明治維新の奇蹟の原由があったので....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
すよ。何千という人間が衣食に窮しているのです、何十万という人間が有り触れた生活の慰楽に事を欠いているので御座いますよ、貴方。」 「監獄はないのですかね」と、スク....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
線を彼女の下部に投げることによって、この、自分の娘よりも若いに相違ない中婆さんを慰楽しようと試みた。 彼女の属する社会層は瞬間の私にとって完全な神秘だった。が....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
境遇は最も悲惨である。その時には、貧困が彼らから、慣習が絶対必要品たらしめている慰楽物を奪ってしまう。労働の市場価格がその自然価格にまで騰貴し、そして労働者が労....
大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
ものへ、芸妓の塩梅《あんばい》と、奥女中のとりなしとを加減して、そのころの紳士の慰楽の園としようとした目論見《もくろみ》で、お振袖《ふりそで》を着せて舞わせもし....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
たるものがあった。猿楽は寺坊の間から起ってこれらの将軍と公卿との寵児となり、更に慰楽に飢えた民衆一般の支持をうけ、遠く辺陬の地にまで其の余光を分った。能面の急激....
丸の内」より 著者:高浜虚子
んなことはどうでもよい。ただ一夜の安眠を得るということが、その時にあっては無上の慰楽である。 翌朝芝浦に上陸して見ると、右往左往に歩いている男女のそわそわして....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
も廊下へ溢み出すほどに繁昌し、活動などの盛んにならない前は牛込に住む人達の唯一の慰楽場という観があった。私が小さんや円右の落語を初めて聞いたのもそこであった。綾....