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慶事
「慶事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
慶事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ゅうざん》を尋ねてご覧《らん》なさい。あれがもう一度世に出れば、画苑《がえん》の
慶事《けいじ》ですよ」と言うのです。
私ももちろん望むところですから、早速翁を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まずじろじろと座敷のうちの器具調度、ひととおりのものに鋭い目を向けました。お冬の
慶事がどんなに盛大であったか、その夜のはなやかさを今も物語って、床の間には数々の....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
惑える折、居《い》ながらに世の成行《なりゆき》を知るマーリンは、首を掉《ふ》りて
慶事を肯《がえん》んぜず。この女|後《のち》に思わぬ人を慕う事あり、娶る君に悔《....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
たいと思う。思うについては自分一人でやるより広く天下の人と共にやる方がわが文界の
慶事であるから云うのである。今の評家はかほどの事を知らぬ訳ではあるまいから、御互....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、その日は炬燵や火鉢でなしに、煙草盆の火だけで済ませるくらいだ。この陽気は本陣の
慶事を一層楽しく思わせた。 午後に、寿平次|兄妹がすでに妻籠の本陣を出発したろ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
があるといっても、それはお松が知ったことではありません。 けれども、このたびの
慶事の噂が、お松の耳にはあまりに突飛《とっぴ》に聞えたものですから、多少考えさせ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
天職とする全国二十五万の小学校教員は、三万六千余名の代表者を送って、昭和聖代の御
慶事 皇太子殿下の御降誕を奉祝し併せて忠君愛国の日本精神を昂揚して教育報国の誠を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を私に手渡し、 『これは由緒ある御方から母が拝領の懐剣であるが、そなたの一|生の
慶事の紀念に、守刀としてお譲りします。肌身離さず大切に所持してもらいます……。』....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ようというんで、この司馬道場の不知火銭というと、江戸中がわあっと沸いたもんです。
慶事《よろこび》には……そのよろこびを諸人に分かつ意味で。
こんどのような悲し....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
れだけでもいくらかは学術奨励のたしになるであろう。学位のねうちは下がるほど国家の
慶事である。紙屑のような論文でも沢山に出るうちには偶にはいいものも出るであろうと....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
そんな風にしてハップンしたもののようだ。鎌倉に四十七士が奮起するのも眠れる時代の
慶事とや云うべし。しかし、敵は手ごわいですぞ。なんしろ、吉良とちがって、女ですか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
悪賢い犯人はつかまらない。彼がまだ生れないうちにこの怪事件が起ったのは下曾我村の
慶事であった。 轢断された屍体は首と胴と両脚とがバラバラになって翌朝発見された....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ツを完了してくるということは、日本の男の子の地上のささやかな平和を約束してくれる
慶事慶兆であるかも知れん。宝塚こそは日本の地底の烈火を調節してくれる安全弁ですか....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
道ばかりは別な物と昔から相場は極っているのだから。 いや、これが事実なら確かに
慶事で、正しく殿の御血筋。若君一人儲かったのだけれど、今は御正腹に、綱政、政言、....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
でもあるかのようにいいふらした。 泰文はこれも面白いと思ったのか、どこかの家で
慶事があるとかならず出掛けて行って、 「悪霊民部卿、参上」 と、中門《ちゅうも....