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「憂わしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憂わしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:宮本百合子
のである。 微かながら絶間のないピチ、ピチ、と云う音をきき乍ら、私は、寂しい、憂わしい心持に襲われた。小鳥を飼う等と云う長閑《のどか》そうなことが、案外不自然....
道連」より 著者:豊島与志雄
かと思った。然し今か今かと待っていてくれる友のことを想像したり、その晴やかな而も憂わしい笑顔を思い浮べたりすると、たとい遅くなってもその日のうちに行きたかった。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
る心臓のように静かにふくらんでいた。ローマ人の夫婦墓が道に沿って並んでいて、その憂わしい顔と忠実な握手とを、木の葉がくれに示していた。二人は並木道のつきる所に、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
・ド・モーは前々日法律学校でふりかかったくだらない失策のことを考えていたが、別に憂わしいふうもなかった。それは彼一個の将来の計画、もとよりずいぶんぼんやりしたも....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
あたりを見まわして、骸骨がいないのを見ると、かすかに満足のおももちを見せた。その憂わしい顔色はまだ残っていたが、ゆうべほどではない。彼女は更にまわりのものに気を....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
を見たが、 「相変わらず今夜も盛んだの」 「うん」と云ったものの常陸介の声には、憂わしい不安な響きがあった。 「あの有様だから困るのだ」 「そうさ、あれでは困る....
笑わない娘」より 著者:小川未明
たいそう心配しました。老人は、不思議に思いました。 「なんで、あなたは、そんなに憂わしい顔つきをしているのじゃ。」と、老人は、娘にききました。 すると、娘は、....