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憂世
「憂世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憂世の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
さっ》と引っくりかえして、第一頁をあける。「解脱《げだつ》と拘泥《こうでい》……
憂世子《ゆうせいし》」と云うのがある。標題が面白いのでちょっと目を通す。 「身体....
「運命」より 著者:幸田露伴
るあらば、星火も延焼して、燎原の勢を成すに至らんことを虞るるに似たり。此も亦愛民
憂世の念、おのずから此に至るというべし。太祖の遺詔、嗚呼、何ぞ人を感ぜしむるの多....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
に縁のある文字を感じても、不吉な空想に震えた。定めとてもない漂泊の旅に転々として
憂世《うきよ》をかこちがちな御面師が、次第に自分の名前にまでも呪咀《じゅそ》を覚....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
けの虚心坦懐さがなければ仁輪加の花は咲かない。この生活苦と、仁義、公儀の八釜しい
憂世を三分五厘に洒落飛ばし、上は国政の不満から、下は閨中の悶々事に到るまで、他愛....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
あろう。そして時代の腐敗に愛想をつかして常に傍観者の態度を取っていた清節|孤痩の
憂世家たちも、今は白眼にして冷嘲を事とするようなことなく、正面から真剣に時代の改....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
いたずら》に感情にのみ支配せられし当時の思想の誤れりしことよ。されどその頃の妾は
憂世《ゆうせい》愛国の女志士《じょしし》として、人も容《ゆる》されき、妾も許しき....
「遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
いうような泡鳴からの手紙を読むと、想思の人が東西を離れるようになるとは、ほんとに
憂世《うきよ》ではあるといい、苦労をともにする人は、呼べど答えぬ百余里の彼方《か....
「二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
に未だ孝の道も尽さずして先だつ不孝は幾重にも済まぬがわたしは一刻も早くこの苦しい
憂世を去りたい、妾の死せる後はあの夫は、あんな人|故死後の事など何も一切関わぬ事....
「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
婦が、遺産の公債証書に衣食して、毎年少々ずつの金を余ますものに等し。天下の先覚、
憂世の士君子と称し、しかもその身に抜群の芸能を得たる男子が、その生活はいかんと問....