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「憂国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憂国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
て、暗い座敷牢の格子《こうし》につかまりながら慟哭《どうこく》したという。「慨世憂国の士をもって発狂の人となす、豈《あ》に悲しからずや」とは父がその木小屋に遺《....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
なかった。 が、せめてこうした大切な時に、一藩の向背だけは誤らせたくないという憂国の志は、持っていた。それが、今日の城中の会議で、とうとう藩論は、主戦に決して....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
六百円最低承認に欺瞞あり」と申入れたる由。生産いよいよ低調。政治家はいないのか。憂国の士はいないのか。 ◯「狐塚事件」という小説を、もう十日も机上に置いて書いて....
近時政論考」より 著者:陸羯南
家の学者たるものなしといえども、またことごとく無謀の人のみにはあらず。彼らは慷慨憂国の士をもって自ら任じ国事について相当の意見を抱きたるはもちろん、往々その意見....
運命」より 著者:幸田露伴
王に書を上りしも効無かりしを歎ずれば、鉉は忠臣の節に死する少きを憤る。慨世の哭、憂国の涙、二人|相持して、※を以て城を撃たしむ 城壁破れんとす。鉉|愈屈せず、太....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
を知らないようでは、その人の方が暗愚であり、つまり敗戦と共に亡びて然るべき誤れる憂国者、誤れる道徳家、唯我独尊的愛国自認者であるにすぎない。 私はむしろこの悪....
端午節」より 著者:井上紅梅
彼は常に喜んで、中国将来の運命というような問題を持出し、慎みを忘れて自分が立派な憂国の志士であるように振舞う。人々は常に「自ら知るの明」なきを苦しむものである。....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
尽きぬ」かくして過ぎなば「結局この国他国に破られて亡国となるべき也」これが日蓮の憂国であった。それ故に国家を安んぜんと欲せば正法を樹立しなければならぬ。これが彼....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
かず、批判自由で新聞が書きたてる時代に至って報道通りのことを発見して悲憤コーガイ憂国の嘆息をもらすという道学者は、目がフシ孔で、自分の目では何を見ることもできな....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
下の政治は? といらッしゃる。イヤ。どうも。ヘッヘ。 文化人だの何だのと大そう憂国の至情に富んでるらしい方々は、たいがい、こういった妙テコレンなアイクチを胸に....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
物がつぎつぎと現われてきたために、たびたび延期された。有名なハンプデンの墓やこの憂国の士が倒れた戦場も訪れた。私の魂はしばしば卑屈になるみじめな気づかいから高め....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は、太陽を掲げるものでなければならない。 薩、長、土、肥に、水戸、佐賀、越前の憂国の志士たちがそれである。 そうしてそういう人たちを、養い教えた人物が、竹内....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
の苦辛にも政治家の経営にもまた必ず若干の遊戯的分子を存するはずで、国事に奔走する憂国の志士の心事も――無論少数の除外はあるが――後世の伝記家が痛烈なる文字を陳ね....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
事があった。二葉亭の青年時代の国際的興味が再び熱沸して来たのはその頃からで、この憂国の至誠から鋭意熱心に東洋問題の解決を研究するので、決して大言壮語を喜ぶ単純な....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の国を思わざるはあらず。いわゆる江湖の遠きにおりて、その国を憂うるものなり。この憂国の情、鬱々として胸襟の間に積滞し、一結して悶を成し、再結して病を成さんとす。....