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憎からず
「憎からず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憎からずの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ばかりぱちくり/\いたして歎息《たんそく》いたしています。花里の方でも初会ながら
憎からず存じまする客でげすから、早く廻ろうとは思ってますけれど、何を申すも大勢な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えば一概に恐ろしいもののように考えていたお八重は、案外に初心でおとなしい金之助を
憎からず思ったらしい。こうして、仲よく一夜を明かしたが、朝になって三人が帰り支度....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
、小鯛よし、緋の毛氈に肖つかわしいのは柳鰈というのがある。業平蜆、小町蝦、飯鮹も
憎からず。どれも小さなほど愛らしく、器もいずれ可愛いのほど風情があって、その鯛、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
言うてくれるな。」 その大次郎の眼に、素早く涙が宿って、 「おれとても、あれを
憎からず思ってはおる。
憎からず思うどころか、いつどこにおっても、あれのことが頭を....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
好いところを歩いたことになる。愛情の機縁などというものはなく、若い男女が普通互に
憎からず思う程度の気持ちのうちに、彼女のアパートの室で、二人寝ころんでしまったの....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
計経営の自由を得るのみならず、其遠ざかるこそ相引くの道にして、遠目に見れば相互に
憎からず、舅姑と嫁との間も知らず識らず和合して、家族団欒の幸福敢て期す可し。即ち....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
のことが忘れられない、君の気持をきかせてくれ、と迫られました。前々から山際さんは
憎からず思っていましたのでつい「私もよ」と答えてしまい、その日は一しょに銀座へで....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
はない……。 こうしたわけですみ子とは逢う機会は幾らでもあった。美しいと思い、
憎からずも思ったが、あこがれの心が高まらなかったのは、遇い易かったのと、受け身だ....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
なわち句がある。 西瓜食えば松助の志丈などおもう それにしてもここで互いに
憎からず、おもいあったお露と新三郎を、次の次の章においては志丈、「もし万一の事が....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
圏をかき、
蛇のうねりせる列をなし、
列と列と入り乱れ、
近づき来たるよ。汝達。
憎からず暴れたる、
逞しき女等、ネエレウスのたけき族。
傅き来たるよ。優しきドオ....