憎たらしい[語句情報] » 憎たらしい

「憎たらしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憎たらしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、いまあの生物は引ん曲った溝を月の山のようにくねらせて、それは長閑《のどか》な、憎たらしい高鼾《たかいびき》をかいておりますの。でも、すぐ眼が覚めて、それからこ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
。しかし彼はそんな心配をする必要もなかったのだ。紀代子は口をひらけば必ず傲慢な、憎たらしいことを言う豹一よりも、おずすおずと黙っている豹一の方が好きなのである。....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
しに不断にじめじめと陰険な渋面をつくって猜疑《さいぎ》の眼ばかりを据えているあの憎たらしい坂道は、どんなにか滑り易い面上に、意地悪な苦笑を湛《たた》えながら手ぐ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
――」 金茶金十郎が、六法を踏むような形をして、手ぐすねを引きました。 「あの憎たらしい十八文のお医者はん、阪者《さかもん》はみみっちい、みみっちいと言やはる....
秋の反射」より 著者:宮本百合子
ねえ、きっと化けて出よるぜ」 沢や婆は、幸死なずに治れた。が、すっかり衰えた。憎たらしい、横柄な口も利かなくなった。いずれにせよ、仙二はこの経験で、彼女を隣人....
桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
くませ頬ずりして舐めたりくすぐったりしましたが、じきあきました。 「もっと太った憎たらしい首よ」 女は命じました。男は面倒になって五ツほどブラさげて来ました。....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
えたけれども、私はこれを決意の激しさによるせいとして、たじろがない。 「だって、憎たらしいじゃありませんか。美代子さんの捜査だなんて、心にもないことを云って、卑....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、どうにも判断がつかないし、つけるわけにもいかない。 しかし女の態度はいかにも憎たらしいし、作為的だ。そして男のカバンにこだわりすぎる。私が見ていた感じからい....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
中になってしまうんだよ。そりゃ、男衆にだったら、そんな時の小式部さんをさ――あの憎たらしいほど艶やかなししむらなら、大抵まあ、一日経っても眼が飽ちくなりやしまい....
アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
した。 「まあ見ていましょうよ。お前さんのうぬぼれがいい加減でやまるように、その憎たらしい大頭のちょん切られるところを、ゆっくり拝見するとしましょうよ。本当に高....
」より 著者:織田作之助
が眼にはいった。雇人は豹一が何故そんなことをするのか分らなかったが、たゞ何となく憎たらしい子供であると思った。 そして、その後成長した豹一を見て、人々は屡々そ....