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憎まれ役
「憎まれ役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憎まれ役の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ります」 「三河町の吉五郎か」と、侍は又微笑した。「今のを見たか。おれ達はどうも
憎まれ役で困るよ」 侍は鯛の御納屋に勤めている今井理右衛門であった。自分が何を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
わたしも弱りました。粂さまは何も御存じないでしょうが、亀屋(栄吉のこと)と二人で
憎まれ役でさ。お師匠さまにはあの隠宅もありますし、これがただの気鬱症か何かなら、....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
ぬ。 「同じ事や。ひばりが言わなかったら、うちだって、動きとうはない。すき好んで
憎まれ役を買うひとなんてあるかいな。」 「憎まれたのかね。」 「ううん。」れいの....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
……エッ……正反対?……」
「ハッハッハッ。何も君が、そんなに遠慮して、加害者の
憎まれ役を引受けなくとも、いいじゃないか。どうせ君と呉一郎とは瓜二つなんだから、....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
目にはこの二人のばあさんがもっとも理解しやすい「定型」として現われる。この二人の
憎まれ役は、おそらく見ようによってはもっとも善良なる旧時代の残存者である。これに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
正直に言えば我々は、お銀様という女に圧倒されてしまって、否応なしに、君にとっては
憎まれ役――二人を会わせまいとする役割をつとめてしまったのだ」
「意気地がないな....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
り容疑者被告を造り上げる方の仕事が完成した訳である。 次は当然法廷の場である、
憎まれ役の検事になるべく意地のわるい弁論をさせて、被告と見物に気をもませ、被告に....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
とを問題にしてるんだ。おめえは、評判のいゝお巡りだそうだが、お巡りなんてものは、
憎まれ役になるのが当り前だと、おれは思うんだ。評判のいゝなんてこたあ、どこかに隙....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
おきたいと思った。彼はいう、自分は実際、フランシスが、エセックスに対して、なにか
憎まれ役を演じたというような噂を、聞くことは聞いた。しかし……自分は、そんな噂は....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
ねて、当時よほどな御決心でおうけなされたとかで……」 「嫌な役だ。誰でも逃げたい
憎まれ役なのだ。……なぜといえば、大坂落城以来、徳川家に随身してきた大名のうちに....