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憎らしい
「憎らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憎らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ように、大殿油《おおとのあぶら》の明るい光をわざと御避けになりながら、
「まあ、
憎らしい事ばかり仰有《おっしゃ》います。ではもう始めから私《わたくし》を、御捨て....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
する。 王女 わたしは何と云う不仕合せなのだろう。もう一週間もたたない内に、あの
憎らしい黒ん坊の王は、わたしをアフリカへつれて行ってしまう。 獅子や鰐のいるアフ....
「或る女」より 著者:有島武郎
と見すえていた。「なんで事務長や田川夫人なんぞがこんなに自分をわずらわすだろう。
憎らしい。なんの因縁《いんねん》で……」葉子は自分をこう卑しみながらも、男の目を....
「星座」より 著者:有島武郎
えていたのだから、
「あなたほどじゃありませんね」
とさそくに受けて、今度は「
憎らしい」と来るだろうと待っていると、新井田の奥さんは思う壷どおり、やさ睨《にら....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
だ。「喰付く犬が居るよ。お母あさんも、みんなも、もう庭へ出てはいけません。本当に
憎らしい犬だよ」といった。 夜になって犬は人々の寝静まった別荘の側に這い寄って....
「活人形」より 著者:泉鏡花
怪しき死様遊ばしたが、そんなら得三、おのれがかい。「おう、我だ。驚いたか。「ええ
憎らしいその咽喉へ喰附いてやりたいねえ。「へ、へ、唇へ喰附いて、接吻ならば希望だ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が、フトこっち向に、舌を出した形に見える。……ふざけて、とぼけて、その癖何だか小
憎らしい。 立寄る客なく、通りも途絶えた所在なさに、何心なく、じっと見た若い女....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
莞爾した、その唇の紅を染めたように、酸漿を指に取って、衣紋を軽く拊ちながら、 「
憎らしい、お源や…………」 来て御覧、と呼ぼうとして、声が出たのを、圧えて酸漿....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
すんなりと、白い足袋はだし、それでも、がさがさと針を揺り、歯を剥いて刎ねるから、
憎らしい……と足袋もとって、雪を錬りものにしたような素足で、裳をしなやかに、毬栗....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
ので、うつくしい、可愛らしい。うつくしい、可愛らしい。 七 また
憎らしいのがある、腹立たしいのも他にあるけれども、それも一場合に猿が憎らしかった....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
「ああ、」 「先生がいらっしゃらなくッて、寂しい、寂しい、とおっしゃりながら、お
憎らしい。あとで私が言附けますよ。」 「ああ、可いとも、ねえ、愛吉、姫様がついて....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
幾冊か、重ねて、それを枕にさして、黙って顔を見ると、ついた膝をひいて立ちしなに「
憎らしい。」……ただ、その雑誌一冊ものなぞ、どれも皆――ろくなものではありません....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
でおっしゃいよ。」 とばかりに渠は立ちあがりぬ。予が見送ると目を見合せ、 「小
憎らしいねえ。」 と小戻りして、顔を斜にすかしけるが、 「どれ、あのくらいな御....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
では誠に済まないことをしましたので、神様、仏様にはどんな御罰を蒙るか知れません。
憎らしい鼻の爺は、それはそれは空恐ろしいほど、私の心の内を見抜いていて、日に幾た....
「多神教」より 著者:泉鏡花
テントツツン、下方かすめて遥にきこゆ)……見えたか。 お沢 あれあれ、彼処に――
憎らしい。ああ、お姫様。 媛神 ちゃんとお狙い。 お沢 畜生!(切って放つ。) ....