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憑
「憑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》が渡ったと書いてありますのは、丁度あの染殿《そめどの》の御后《おきさき》に鬼が
憑《つ》いたなどと申します通り、この沙門の事を譬《たと》えて云ったのでございます....
「河童」より 著者:芥川竜之介
分二十五秒の後《のち》、きわめて急劇なる夢遊状態に陥り、かつ詩人トック君の心霊の
憑依《ひょうい》するところとなれり。我ら会員は年齢順に従い、夫人に
憑依せるトック....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
酒《ぶどうしゅ》に化せられたことを、盲人の眼を開かれたことを、マグダラのマリヤに
憑《つ》きまとった七つの悪鬼《あっき》を逐われたことを、死んだラザルを活かされた....
「竜」より 著者:芥川竜之介
せんか。こうなると話にも尾鰭《おひれ》がついて、やれあすこの稚児《ちご》にも竜が
憑《つ》いて歌を詠んだの、やれここの巫女《かんなぎ》にも竜が現れて託宣《たくせん....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
「あの若いのもおぬしのように、おのが好色心《すきごころ》に目が眩んでの、この婆に
憑《つか》らせられた婆娑羅《ばさら》の大神に逆《さかろ》うたてや。されば立ち所に....
「星座」より 著者:有島武郎
柿江には頓着《とんちゃく》なく園に尋ねた。
その拍子に柿江がぷっつりと黙った。
憑《つ》いていた狐が落ちでもしたように。そしてきまり悪るげにそこにいた三人の顔に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る。かく類別せられた経験の堆積を人々は知識と名づける。知識を整理する為めに私は信
憑すべき一定の法則を造る。かく知識の堆積の上に建て上げられた法則を人々は道徳と名....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の桑名へ、住替えとやらしたのかの。」 「狐狸や、いや、あの、吠えて飛ぶ処は、梟の
憑物がしよった、と皆|気違にしなさいます。姉さんも、手放すのは可哀相や言って下さ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い唾が、黒い舌が。―― 糸七は拳を固めて宙を打った――「この狂人」――「悪魔が
憑いたか、狂わすか、しまったり」……と叫びつつ、蝦蟇を驚かしつつ、敷きわがね、伸....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ななくのみ。 「貴女も、昨日、その地蔵をあつらえにおいでの途中から、怪しいものに
憑かれたとおっしゃった。…… すべて、それが魔法なので、貴女を魅して、夢現の境....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ようでございます。 大体天狗の働きはそう大きいものではないらしく、普通は人間に
憑って小手先きの仕事をするのが何より得意だと申すことでございます。偶には局部的の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
場所こそは、字義通りの魔窟であって、そこには最劣最悪の不良霊連が、彼等酔漢の躯に
憑り、鬼畜にひとしき堕落行為に出でしむるのである。これが文明の汚点でなくて何であ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
顕したのは、あなたのせいじゃありませんよ。あなたは私と約束した通り、アグニの神の
憑った真似をやり了せたじゃありませんか?――そんなことはどうでも好いことです。さ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。 彼らはスリーピー・ホローへ曲る道についた。ところが、ガンパウダーは悪魔に
憑かれたもののように、その道についてゆかずに、反対のほうへ曲り、丘をくだって左へ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
る紫雲英である。…… 少年の瞼は颯と血を潮した。 袖さえ軽い羽かと思う、蝶に
憑かれたようになって、垣の破目をするりと抜けると、出た処の狭い路は、飛々の草鞋の....