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「憑かれる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憑かれるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
だ、と私は思いました。 「影と『ドッペルゲンゲル』。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。この世のものでないというような、そんなものを見たときの感じ。―....
村の怪談」より 著者:田中貢太郎
何時の比《ころ》であったか、私の村に甚内と云う力士があったが、その甚内は狸に憑かれる人があると、その人の背から肩を揉んで、狸を追いだした。これには狸も困った....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の記憶が……」 「……出て来るから心理遺伝と名付けるんだ。無学文盲の土百姓が狐に憑かれると歌を詠んだり、詩を作ったり、医者の真似をして不治の難病を治したりする。....
旅愁」より 著者:横光利一
なると、突然肺|壊疽か何かで二三日で死んでしまった。それ以来一層久慈の母は方位に憑かれるようになって、他人の年齢を一度訊くと、直ちにその者の月番の方位の善悪を宙....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
によっては百年も千年も後世に生まれた同情者が、当人に代わって、あるいは当人に取り憑かれるか取り憑くかして、歌い悲しみ、また歌い喜ぶのである。たとえば、われわれは....
乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
。全で殴ったのは現実の誰かではなくて、人魂ででもあるようだった。 生霊や死霊に憑かれることは、昔からの云い慣わしであった。そして、怨霊のために、一家が死滅した....
憑きもの」より 著者:豊島与志雄
その不可思議さにも限界があって、憑く方のもの、崇る方のものは、実際には存在せず、憑かれる方のもの、崇られる方のもの、即ち人間の精神だけが、実際には存在するのであ....
一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
ことが、弥兵衛――源空の記憶に上った。 (わしも結局|憑かれたんだ。こんなように憑かれるくらいだったら、いっそおきたと夫婦になった方が…… いやそうではないそ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
のを感じたが、こうして私の沈欝さが消え去り、またたくまに、あの致命的な情熱に取り憑かれる前と同じように快活になった。 私は叫んだ。「ありがとうクレルヴァル、ず....
黄泉から」より 著者:久生十蘭
介業者の先見と機才は、倦怠と夢想から湧きでる詩人の霊感によく似ていて、この仕事に憑かれると抜け目なく立ち廻ることだけが人生の味になり、それ以外のことはすべて色の....
勝負師」より 著者:織田作之助
現れている。近代将棋の合理的な理論よりも我流の融通無碍を信じ、それに頼り、それに憑かれるより外に自分を生かす道を知らなかった人の業のあらわれである。自己の才能の....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
さっしゃる事は何にもねえだがね、そこに久しく立っていると瘧を煩らうだあかンな、取憑かれるでな。) (ええ、どうしてだい。) (何、お前様。) と、榛の樹から出....
迷信解」より 著者:井上円了
わが国にて狐狸を談ずるに、土地によりて不同がある。通常一般には狐にだまされ狐に憑かれると申すけれども、四国にては古来狐が住まぬと称し、狐の代わりに、狸にだまさ....
魚紋」より 著者:吉川英治
承知しねえぞ』 『いいとも、生命さえ……。ああ、冗談じゃねえ、あぶなく死神に取ッ憑かれるところだった』 『今の話を、もうちっと詳しく聞きてえが』 『いくらでも話....