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憑き物
「憑き物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憑き物の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
ろうとした。 「叱っ、叱っ。」 重兵衛も弥七も叱って追いのけようとしたが、犬は
憑き物でもしたようにいよいよ狂い立って、焚火の前に跳り込んで来た。旅人はやはり黙....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
ここに
憑き物系統とは、俗に狐持・犬神筋などと言われる所謂「物持筋」の事である。これがも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
か、又八は茫としているだけだった。けれどこの怪力の武者修行が臨終の一念は、自分へ
憑き物のようについていて違えることのできない約束の負担を負わされたような気持がし....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
絵襖のすみに、うす赤い西陽のかげが、三角形に射している。 「オウ!」 フイに、
憑き物でもおちたように、ムクムクと蒲団の上に身を起こした孫兵衛は、両手をうしろへ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。だが信濃はそれに気がつかないのか、往々、ぽかんとして馬をやっていた。何か尊氏の
憑き物を彼が背負って帰ったふうにも見える。――そしてその晩の真夜半すぎ、信濃は、....
「山の人生」より 著者:柳田国男
成立つのであります。世中が開けてからは、かりに著しくその場合が減じたにしても、物
憑き物狂いがいつも引寄せられるように、山へ山へと入って行く暗示には、千年以前から....
「父の出郷」より 著者:葛西善蔵
字の間違いであったことがすぐ気づかれてホッと安心の太息をついたが、同時に何かしら
憑き物にでも逃げだされたような放心の気持と、禅に凝ってるのではないかと言った弟の....