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憖
「憖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憖の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
いまして、此の儘帰れば手打に相成ります、それも厭《いと》いませんが却《かえ》って
憖《なまじ》い立腹をさせるよりは今|一思《ひとおも》いに死んだ方が宜いと存じます....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
れ是が味方であったら……此処から喚けば、彼処からでもよもや聴付けぬ事はあるまい。
憖いに早まって虎狼のような日傭兵の手に掛ろうより、其方が好い。もう好加減に通りそ....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
たのみ」の餌《えさ》がないから、蛇奴も餓死《うえじに》に死んでしまいもしようが、
憖《なまじい》に卯《う》の花くだし五月雨《さみだれ》のふるでもなくふらぬでもなく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ができぬ。拙者にはこうなるが天罰じゃ、当然の罰で眼が見えなくなったのじゃ、これは
憖《なま》じい治さんがよかろうと思う」 竜之助は独言《ひとりごと》のように言う....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
らむとこたえしに、蛇はこれを諾いて鷲と戦い亡失せしということの候なり。されど今|
憖に鷲の首などと謂う時は、かの恐しき魔法使の整え来ぬとも料り難く因りて婆々が思案....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
隠れを為ようとして怪我でもするといけないから、尋常に名乗って出ろ」 小峰「本当に
憖じ逃げようなぞとして怪我アしてはいけませんから、おとなしく名乗って出て下さいよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
剣術が出来ない、竹刀《しない》の持ち方さえも知らないのを御承知かい。 そこだ、
憖《なま》じい出来るより、全く出来ない方がよい。そこを見込んでお前に武者修行をす....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
とは、『吾妻鏡』(文治二年八月十五日条)に、彼の言として、「弓馬の事は在俗の当初
憖に家風を伝ふと雖、保延三年八月遁世之時、秀郷朝臣以来九代嫡家相承の兵法焼失す」....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
一篇の興味深い探偵小説に仕組んで発表するでしょう。然し単に一法律家に過ぎぬ私が、
憖《なま》じ変な小説を書けば世の嗤《わら》いを招くにすぎないでしょうから、私は今....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ます、私は何処から逃げようかと思って居りました」 政「親方そう泥坊をぶん殴って、
憖いに殺しては却って係り合になりますから、ふん縛って突出したら宜しゅうございまし....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
けているよ」 「美佐子は何か知っているらしいんですが、僕には遠慮して話しません、
憖い隠しだてされるとやり難いんですが――、それはきっと初子に取って不利な事なんで....