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憤怒
「憤怒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憤怒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
ぼ」には、七つの恐しき罪に人間を誘《さそ》う力あり、一に驕慢《きょうまん》、二に
憤怒《ふんぬ》、三に嫉妬《しっと》、四に貪望《とんもう》、五に色欲、六に餮饕《て....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
中には、まるで大暴風雨《おおあらし》の天のように、渦巻く疑惑の雲を裂《さ》いて、
憤怒《ふんぬ》と嫉妬《しっと》との稲妻が、絶え間なく閃《ひらめ》き飛んでいた。彼....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぜというと、彼らは一人《ひとり》として葉子に対して怨恨《えんこん》をいだいたり、
憤怒《ふんぬ》をもらしたりするものはなかったから。そして少しひがんだ者たちは自分....
「或る女」より 著者:有島武郎
ちゃんと筋目が立っていた。葉子には愛子の沈んだような態度がすっかり読めた。葉子の
憤怒は見る見るその血相を変えさせた。田川夫人という人はどこまで自分に対して執念を....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
なってきて、戸口から遠くへ身を引いた。 女大臣の顔は、だんだんと赭らんできた。
憤怒の血が湧き上ってきたのだった。 「開けないのだネ。開けなきゃ、わたしが開けて....
「俘囚」より 著者:海野十三
マスクの間から、ギョロとした眼だけが見える。困惑《こんわく》の目の色がだんだんと
憤怒《ふんぬ》の光を帯《お》びてきた。だが、今夜はそんなことで駭《おどろ》くよう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
な努力は、降りしきる雪と、荒れ狂う水と、海面をこすって飛ぶ雲とで表わされる自然の
憤怒の中で行なわれたのだ。怒った自然の前には、人間は塵ひとひらにも及ばない。人間....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
親の面に泥を塗るつもりか、ウヌよくも……」 おとよは泣き伏す。父はこらえかねた
憤怒の眼を光らしいきなり立ち上がった。母もあわてて立ってそれにすがりつく。 「お....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
彼女の家庭のひとびとは、彼女を捨てたその男を呪ってやまなかった。中でも一番ふかい
憤怒をいだいたのは、次兄にあたる人だった。次兄は彼女が幼いときから、特別に彼女を....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
析してみて、一|匁の黄金も出てこないときには、どんな顔をすることだろうか。失望と
憤怒に燃える彼奴の顔が見えるようだ。……と話をしてくると、壮平老人は、私の言葉を....
「火薬船」より 著者:海野十三
ても、おれがゆるしちゃおかないぞ。手前の生命は、おれがもらった!」 すさまじく
憤怒の色をあらわし、なかなか芝居に骨がおれる丸本は、竹見の手首を縛った麻紐を、ぐ....
「東京要塞」より 著者:海野十三
してやろう」 と、靴の先で、五郎造の腰骨をいやというほど蹴上げた。 五郎造は
憤怒のあまり、ふらふらと立ちあがることに成功した。 「おう監督さん。おれたちは今....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
す虞あるのに対し、彼の精神を錯乱させる材料に使われたに過ぎない。事実ワイトマンは
憤怒し、員数外の鼠がレッドのポケットのなかに入ったまま密輸入されるのに気を使う余....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
生、何んだって這んな真似をなさるの。どんな事が有っても逃がしませんよ」 上には
憤怒に上釣ったお鉄の声がガンガンと響いた。 僅かの差で帰って来たお鉄が早速の投....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
村の男たちだった。彼らは、彼女の心に通ずる入口をすべて取りかこみ、たがいに相手を
憤怒に燃える眼で見はっていたが、新しい競争者があらわれようものなら、共同の目的の....