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「憤怨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憤怨の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
まえ」 子供、子供と今が今まで高をくくりし武男に十二分に裏をかかれて、一|腔の憤怨焔のごとく燃え起こりたる千々岩は、切れよと唇をかみぬ。山木は打ちおどろきて、....
李陵」より 著者:中島敦
の欠点までが大きく写ってくるのは、これはやむを得ない。司馬遷《しばせん》は極度の憤怨《ふんえん》のうちにあってもこのことを忘れてはいない。今度のことは要するに天....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
かんばせに、恒《つね》ならず血を上らせているのは、心中にむらむらと燃え立ち渦巻く憤怨《ふんえん》のほむらを、やっとのことでおさえつけているためなのだろうが、しか....
」より 著者:金子ふみ子
捨てて駈け落ちしてしまったんだ」 と母は歯を噛みしばっていった。 胸に燃ゆる憤怨の情を抱きながら、藁しべにでもすがりつきたい頼りない弱い心で、私たちはそれか....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
を交付したのである。けれども俄かにかく解放せられたので、この卒団のものは、非常に憤怨して陰では散々当局者を罵っていたが、まさか反抗するほどの勇気もなかった。憤怨....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の上で拾い集めたあの恐ろしい思想の嫌悪《けんお》すべき一団を魂のうちに隠しながら憤怨《ふんえん》の情に満ちて、ディーニュの町にはいって行ったあの日の自分と、同じ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
重井のために弄《もてあそ》ばれ、果《はて》は全く欺《あざむ》かれしを知りて、わが憤怨《ふんえん》の情は何ともあれ、差し当りて両親兄弟への申し訳を如何《いか》にす....