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「憧る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憧るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は姫君が恋しゅうて、御意《ぎょい》得たいと申すのではない。予の業欲《ごうよく》に憧るる心は、一度唐土《ひとたびもろこし》にさすらって、紅毛碧眼の胡僧《こそう》の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の走るがごとく颯と暗くなった海に向けて、蝕ある凄き日の光に、水底のその悪竜の影に憧るる面色した時、隼の力の容貌は、かえって哲学者のごときものであった。 英臣は....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
さず、庭というもの店舗を有する人々には次第に失われ行くにつれて、かれらの自然美に憧るる心は遂にここに赴いて、その幾鉢を領することに満足する以上、残されたる江戸趣....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
な谷川がある。私共は肩をならべて登った。 もともと君でも僕でも真心より尊き美に憧るる者である。一個の生を享けてその生の骨子たらしめんとするのは「尊きもの」であ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れているのでありました。 道庵先生の真骨頂は、平民に同情することと共に、英雄に憧るるところにある。さればにや、日頃は十八文を標榜して、天子呼び来《きた》れども....
レンズとフィルム」より 著者:中井正一
史それみずからリポートをおのれみずからに報告するところの実験体である。 人間の憧るる、この新しき未知なる秩序と統制、これが動けるロゴスであり、形成されんとする....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
賢菩薩の勧進をするような光景であった。 渠は、空に恍惚と瞳を据えた。が、余りに憧るる煩悩は、かえって行澄ましたもののごとく、容も心も涼しそうで、紺絣さえ松葉の....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
トの模倣」にも出ている隠遁的な、現世の混乱と汚濁とをきらうて、高く純潔なるものを憧るる情に燃えて私に迫りました。 けれどやはり「なんじをして神につかうることを....