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憧れ
「憧れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憧れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。さあ、たとえ俺が無理でも構わん、無情でも差支えん、婦が怨んでも、泣いても可い。
憧れ死に死んでも可い。先生の命令だ、切れっちまえ。 俺を棄てるか、婦を棄てるか....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ず進歩し創造しつつあるから。 私が私自身になり切る一元の生活、それを私は久しく
憧れていた。私は今その神殿に徐ろに進みよったように思う。 ここまでは縦令たどた....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
電話機が、鋭敏な触角を二十四時間、休みなしに働かせて、本国からの指令を、ひたすら
憧れていた。 丁度その頃、東洋方面には、有史以来の険悪な空気が、渦を巻いていた....
「春昼」より 著者:泉鏡花
この太平の世に生れて、戦場で討死をする機会がなけりゃ、おなじ畳の上で死ぬものを、
憧れじにが洒落ています。 華族の金満家へ生れて出て、恋煩いで死ぬ、このくらいあ....
「火星探険」より 著者:海野十三
、僕は火星の上で土になっても悔《く》いないぞ」 乗組員たちは永年火星探険に強い
憧れをもち今日まで苦労を積んできた人ばかり、デニー老博士に応えて協力を誓った。そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
時、この方の母さんから、口移しに教わって、私は今も、覚えている。 こうまで、お
憧れなさるもの、ちょっと一目お目にかかって、お聞かせ申とうござんすけれど、今顔を....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
ある。私は実に、漢文よりはさきに横文字を習った。実はごく若い頃は、あちらの文明に
憧れたあまり、アメリカへ帰化したいと願っていたことがある。アメリカへ行くと、日本....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
若い時代は江戸趣味どころか、かえって福沢諭吉先生の開明的な思想に鞭撻されて欧化に
憧れ、非常な勢いで西洋を模倣し、家の柱などはドリックに削り、ベッドに寝る、バタを....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
して、近代になって、長岡半太郎博士は水銀を金に変化する実験に成功して、遂に人類の
憧れていた一種の錬金術を見出したわけです。その方法は、水銀の原子の中核を、|α粒....
「髷」より 著者:上村松園
て苦笑を禁じ得ないのである。 以前は若い女性は結婚というものを大きな夢に考えて
憧れていたから、花嫁になると、すぐにその髪を結って、 「私は幸福な新妻でございま....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を見ていた。すると、彼の心は、やがてこの領地をうけつぐことになっている乙女に恋い
憧れた。彼の想像はさらにひろがって、こういうものを即座に現金にかえて、その金を広....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
います。何も彼もが師匠は豪いという気がしてる弟子の目には、師匠の行住座臥すべてが
憧れの的であるのは当然だと思います。絵は勿論のことです。ですから弟子が師匠の画風....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
りなしに極めて自然に表白して居るためであろう。彼の随筆には古いもの伝統的なものに
憧れる都会人と機械美を好む尖端人との交錯が窺われる。そうして古いものの完き姿が現....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
独立、研究の自由を目標として創立した自由の学園であるという所に青年的魅惑を感じて
憧れて入学したのである。丁度当時は、第一次欧洲戦争の影響で、デモクラシーの思想が....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
本もあるが、さてそれに読み入るだけの余裕はなくて、落ち着いたようで居て、何か物に
憧れるような焦立たしさを覚えるのも可笑しい。 近頃少し眠られぬ癖がつきかけて、....