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憫れみ
「憫れみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
憫れみの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
に対する憫《あわ》れみをいつも湛《たた》えているような眼である。それが何に対する
憫れみなのか、平生《へいぜい》はいっこう見当が付かないでいたが、今、ひょいと、判....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、負傷をしたのじゃありませんか。――こんな生きている者を埋めるんですか?」 と
憫れみを乞うた。 「張大人のために負傷をして、張大人のために埋められるんさ。お前....
「縮図」より 著者:徳田秋声
。四十になると若い燕か何かでなくちゃ、相手は見つからんからね。」 均平は銀子を
憫れみ、しばしば自分が独りになる時のことを考え、孤独に堪え得るかどうかを、自身に....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
あった。 その言葉は訛っているので、何をいうのか能く判らないが、ひどく哀しんで
憫れみを乞うように見受けられたので、※はどうしたのかと訊ねると、彼は手をうごかし....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
。 ところがそれからも、私の不仕合せはいつから尽きようとはいたしませず、慈悲も
憫れみもない親族どもは、私をカゴツ(中欧から北にかけて住む一種の賤民)の群れに売....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
、断腸の思いでおれはスイスへ戻った。フランケンシュタインをかわいそうに思い、その
憫れみが嫌悪に変り、おれは自分がいやになった。しかし、おれの存在を造ると同時に、....
「父」より 著者:矢田津世子
老人が大声で呼んだので、おきえさんは紀久子へ会釈をして立って行った。その会釈には
憫れみを乞うような、愛情を求めるようなものがあった。 「余興は出ないのかね」 ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れ。」 「なりませぬ。」と、小坂部は冷やかに答えた。 「なぜ成らぬ。」と、師直は
憫れみを乞うように掻き口説いた。「父が手を下げて、これほど頼むというに……。娘と....
「港に着いた黒んぼ」より 著者:小川未明
を命とも、綱とも、頼らなければならなかったのです。やさしい姉は、不幸な弟を心から
憫れみました。自分の命に換えても、弟のために尽くそうと思いました。この二人は、こ....
「凍るアラベスク」より 著者:妹尾アキ夫
るのを見ると、却ってそれに反比例した心の落着きがたもてて、単なる好奇心のほかに、
憫れみと同情の念さえ起きるのであった。 「なんでございますか、大変なお話って?」....