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「憮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ばかりではない。何十年来、絶え間ない創作の苦しみにも、疲れている。…… 老人は然《ぶぜん》として、眼をあげた。あたりではやはり賑《にぎや》かな談笑の声につれ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を直視することは出来なかった。 「血液には光はない」と法水は死体から手を離すと、然として呟いた。「今のところでは、なんと云っても奇蹟と云うよりほかにないだろう....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
焼けたろうネ?』 『焼けました。あれが焼けて了ったのが一番残念です、』とKは愈々然たる顔をした。 目録というは売品では無い。営業上の参考書である。が、丸善が....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
るかの」 「へえ。――丁度満五年でござりますな」 「もう五年と相成るか」と帯刀は然としてその五ヶ年の年月をふりかえっているようであったが、やがておもむろに虎松....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
堪忍、御免なすって、あははははは。」 妙齢だ。この箸がころんでも笑うものを、と然としつつ、駒下駄が飛んで、はだしの清い、肩も膝も紅の乱れた婦の、半ば起きた肩....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
?……それとも、土地柄政治的原因で……と包囲攻撃のなかで静かに莨煙をたて、折竹は然とガウンの紐をいじっている。やがて、鎮まるのを待って、ニッと笑い、 「別に、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
者は、まさしく魔王の所為に相違ないと。 われ等はかかる論法に接する時に、心から然たらざるを得ない。それ等の論者は多くは皆愛と熱とに富める立派な人達である。悲....
貞操問答」より 著者:菊池寛
らい売ってくれない。」圭子は、薄情そうな顔付で、そう云った。 「ええ。」新子は、然たる表情で、味気ない返事をした。すると、圭子はいきなりニヤニヤしながら、 「....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ホーキン氏である。 「いずれすぐに盛り返して来よう。戦うより仕方がない」紋太夫は然として云った。 「さよう、戦うより仕方あるまい。敵は大勢味方は二人、とてもこ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
させる仕業である。それを徒に観念の上で弄んではいられない。鶴見はそう思ってひとり然とする。 回想がかれに要求するものは客観的な事象そのもののみである。勢い誰....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
ゃつこそ猿だ! なんという敏捷さ!) 主税は一面感心もし、また一面怒りを感じ、然として佇んだが、気がついて地上へ眼をやった。 叩き落とした猿のことが、ちょ....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
は微少なる吾々の智識にては、到底判断することの出来ぬのを憫れと思われよ」 彼は然として、また他をいうを好まなかったのである。 中 滅亡時に処すべき覚....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、裾に火の粉も知らずに寝た、愛吉が、さも痛そうに、身ぶるいした。 三人|斉しく然とせり。 女房しめやかに口を開き、 「ですからさ、時節ですよ。何だってお前....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
舞も、内に転がしといて見せも聞かせもしようがね。」 坐り直って、なぜか、八郎は然とした。 「――姉さん、ここに居る、この人が、」 八郎は片頬で妹を斜にさし....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
以て、昨日俄に場を閉じ、圓朝は避暑をかねて、目今静岡地方に遊べりと。居士之を聞て然たるもの暫久しゅうす。此行都下に滞留すること僅に二周間に過ず、團十郎|再度場....