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「憾む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

憾むの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
間の境界を得たい望に現世の欲楽を取ることを敢てしなかった。ここは政元も偉かった。憾むらくは良い師を得なかったようである。婦人に接しない。これも差支ないことであっ....
運命」より 著者:幸田露伴
て称するところなるが、八犬伝弓張月に比して優るあるも劣らざるものを侠客伝と為す。憾むらくは其の叙するところ、蓋し未だ十の三四を卒るに及ばずして、筆硯空しく曲亭の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
其目一たび雄犬の影を見ようものなら、血相変えて追払う。宛ながら足の四本に止まるを憾むが如く、一口に他の犬を喰うてしまうことが出来ぬを悲しむ如く、醜の壮夫デカ君が....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
が、恐らくは郷土史の嗜好あるがために、踏査の労をさえ厭わなかったのであろう。ただ憾むらくもわたくしは徒にこれらの諸家を煩わしたに過ぎなかった。 これに反してわ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
意味も何もあったものではない。 蓮はなお芝公園にも浅草公園にもある、されど最も憾むべきはお濠の中なるがあとなくなったことだ。 滝あみ 那智、華厳、養老、不....
社会時評」より 著者:戸坂潤
を偶々最近気が向いたから始めたというような印象は確かに消し難い。今にしておそきを憾むのであって、やったことが悪いというのでは重々ないが、今更らしく鳴物入りである....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
結果、自分の店が衰微したからといっても、百貨店を怨むべきではなく、自分自身をこそ憾むべきではなかろうかと思うのであります。 それでは正札主義の最大条件である、....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
由あらん。もしこれが果して瑠璃岸国の巨船なりとせば――嗚呼余は学者にあらざる事を憾む――この船の発見がいかに古代の文明を今日の世界に紹介し、いかに多くの利益を現....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
であり、私の成功は一にその内助に依り、その上二男三女を設けて立派に嫁婚を了えた。憾むらくは金婚式を拳ぐるに至らず、私の為に末期の水を取ると臨終の際まで言いつゞけ....
世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
に使える者は幾人もおる。煮炊きさせても、かれこれ役に立つ者もないではないが、ただ憾むらくは人間の出来ている者がない。なにをするにしても、人間の出来ているというこ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
引っ著く。 この世界の善なるものに到達してから前途を見れば、 一層善なるものが、憾むらくは虚無の幻影になって見える。 生の我等に与えた美しき感じが 下界のとよみ....
編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
有益なる資料と調査の便宜とを与えられたのは、また以て感謝に堪えぬ次第である。ただ憾むらくは自分の執筆が冗長に失して、為に有益なる投稿や、研究しえた結果をことごと....