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「懇望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懇望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て二百五十両の金を貸すというのは少し迷惑であると彼は思った。しかし主人があれほど懇望《こんもう》しているのを、空手《からて》で帰るのも心苦しいので、彼はいろいろ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
しやだという評判だけど、そのむずかしいという人がたいへんお前を気に入ってたっての懇望でできた縁談だもの、いられるもいられないもないはずだ。人はみんな省作さんは仕....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
すぐれたる銘刀であるので、拙者はしきりに欲しくなって、相当の価でゆずり受けたいと懇望したが、家重代の品であるというので断られた。それでもやはり思い切れないので、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
とまで医者にいわれ、また人手の少ない委員会の面倒な仕事を手伝ってくれるように切に懇望されたにもかかわらず、臨終に際して、自分は悪夢におそわれているということを明....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
門へ訊いた。 「さよう、沢山あります。そうして江戸へも持って来ました。がそれはご懇望によりある方面の貴顕へ献じました」 こう幸左衛門は答えた。 (是非見たいも....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
好きな人間はいない。 だれでも知つているとおり、源太は頼朝が秘蔵の名馬|生食を懇望したがていよく断られた。そしてそのかわりに生食には少し劣るが、やはり稀代の逸....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
、本当のことなのだからねえ。……財産も身分も違う、浪人者の娘の妾を、是非に嫁にと懇望され、それで妾は嫁入って来たのだよ。その妾を雄之進様には、どんなに可愛がって....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
押しをする結果になっているのである。 装置のことに明るくない美術家が、たまたま懇望もだしがたく、専門家の技術的な助言協力を計算に入れて、背景のデザインを描いた....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
すがは大久保殿の躾だけあって、気性も雄々しく見ゆる。伜が独身ならば、わが屋敷へも懇望したいのであるが、伊織助はもうこの秋頃には父になる筈じゃで是非がない。あれほ....
書記官」より 著者:川上眉山
打ち笑みて辰弥は突き入りぬ。この間、それ、謎のようなことを申した、あの光代様さ。懇望しているのは大抵お察しでしょう。ようございますか。お貰い申しましたよ。 ....
」より 著者:犬田卯
北満の開拓にやってもらえまいか、ということは村の青年学校の先生からの、前々からの懇望だったのである。勇にもその気がないことはなかったのだが、事情はそう単純には出....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
折り柄じゃで、そのようなことを申しいずるもいかがと差し控えているが、山名の方では懇望、わしも承知、やがて表向きに取り決むる筈じゃが、それが何とした。」 「恐れな....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
結んだ。頼時の長子貞任はさらに深入りして陸奥権守藤原説貞の娘を妻に申し受けたいと懇望した。これは身分卑しとの故に拒絶せられたが、その為に貞任大いに憤慨し、乱暴を....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
年前、歌舞伎座で舞踊大会のあった時、まゆみは見物に来ていた光村博士に見染められ、懇望されて妻になって以来ふっつりと舞踊とは縁をきり、地味な若奥様となって家庭の奥....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
でした。話は大分遡りますが、妻の学生時代を知っている私が、あらゆる障碍を排して、懇望して貰った女でした。あなたは、男が女を愛するということがいかに深いものかお考....