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懇親
「懇親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懇親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
《い》た時分、馬場金之助《ばばきんのすけ》という碁客《ごかく》が居て、父と非常に
懇親を結び、常に兄弟の如《ごと》く往来して居たそうです。その馬場という人物は一種....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
帯の模様の琴の糸、揺ぐがごとく気を籠めて、 「そして、貴下は。」 「英吉君には御
懇親に預ります、早瀬|主税と云うものです。」 と青年は衝と椅子を離れて立ったの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
際とても特に例年と変ったことはない。年賀状は廃するつもりであったが、さりとて平生
懇親にしている人々に対して全然無沙汰で打ち過ぎるのも何だか心苦しいので、震災後ま....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
なくては見ていられないかも知れない。芝居見物というのはあの狭い桝の中で家族親類は
懇親を結び、芸妓は旦那と、男は女と、
懇親を結ぶ場所であり、そして舞台では余興をや....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の立つ頃を愛する。まだ何しろ暑いのでカフェー組合の運動会も在郷軍人の酔っぱらえる
懇親会もなければ何にもやって来ない。ただ時に馬酔木の影に恋愛男女がうごめいていた....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
文造は約束どおり、その晩は訪問しないで、次の日の昼時分まで待った。そして彼女を訪ねた。
懇親の間柄とて案内もなく客間に通って見ると綾子と春子とがいるばかりであった。文造....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
と、準之助氏は、素直にうなずきながら、 「しかし、今日は貴女が初めて来た晩だし、
懇親の意味で、ここで一しょに食事をして頂いた方がよかったねえ。」と云うと、夫人は....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
用とのことで、何も恐れるには及ばない。それに我君と幸蔵主殿とは、幼少の頃からのご
懇親で、万事につけて聚楽のお為を、以前からお計らい下されて居られる。悪いようには....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、日ごろから紋也が接近しようとして苦心して手蔓を求めていた相手で、これらの人々と
懇親となり、これらの人々へ己が思想を、吐露したあげくにこれらの人々が、その思想に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り。貧苦心配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気なれど情心あり。主公は朋友の
懇親会に幹事となりてかの夜、木母寺の植半にて夜を更して帰途なりしとなり。その事を....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
し、ついにこれを殺したるが、ややありて盗はさかさまに歩行し、股間に頭を生じ、予と
懇親を結びたり。覚めて後、深くこれを考うるに、その秋水の閃々たるは、前々日、古物....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
際とても特に例年と変ったことはない。年賀状は廃するつもりであったが、さりとて平生
懇親にしている人々に対して全然無沙汰で打過ぎるのも何だか心苦しいので、震災後まだ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を誘い寺院に至り、互いに紹介し互いに談話し、茶菓を喫して去ることあり。すなわち小
懇親会なり。ゆえに、米国の寺院は説教場のほかに待合所を兼ぬるものなり。 政教子....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
激浪、インド洋の真面目を現す。昼間、喫煙の競走あり、夜間は余興会幹事慰労のために
懇親会あり。飲酒放歌、深更に及ぶ。昨今の気候は夏服にて不寒不熱、わが蒲暑の時のご....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
年前、いつもそこで顔を合せる常連たちの間で田原屋会なるものを発起して、料亭常盤で
懇親会を開いたことなどあったが、元来が果物屋だけに、季節々々の新鮮な果物がたべら....