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懈怠
「懈怠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懈怠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
、三に嫉妬《しっと》、四に貪望《とんもう》、五に色欲、六に餮饕《てっとう》、七に
懈怠《けたい》、一つとして堕獄の悪趣たらざるものなし。されば DS《でうす》 が....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
命に槌を下した。空腹を感ずれば、近郷を托鉢し、腹満つれば絶壁に向って槌を下した。
懈怠《けたい》の心を生ずれば、只真言を唱えて、勇猛の心を振い起した。一日、二日、....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
れしは当春の初め、その後すでに半年をも過ぎたるに、いまだ献上いたさぬとはあまりの
懈怠、もはや猶予は相成らぬと、上様の御機嫌さんざんじゃぞ。 頼家 予は生まれつい....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
僧三 なにしろ今時の若いお弟子たちとは心がけが違っていましたからね。このように
懈怠の風の起こるのは実に嘆かわしいことと思います。身に緇衣をまとうものが女の事を....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
りして、つい入学がおくれ、その結果中学時代に持っていた敬虔な学生気分にも、いつか
懈怠が来ないわけに行かなかった。ここにも若ものの運命を狂わせる試験地獄の祟りがあ....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
いた講談物を閉じて、「サアこうしちアいられねえ。」と急き立てられるような調子で、
懈怠そうな身節がミリミリ言うほど伸びをする。 「もう親父になるのかな。」とその腕....
「惜別」より 著者:太宰治
お僕の北京の寓居の東側の壁に、書卓のほうに向けて掛けてある。夜間、倦んじ疲れて、
懈怠の心が起ろうとする時、頭をもたげて燈光の中に先生の黒い痩せたお顔を瞥見すると....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
るあり、事終るの後|褒美《ほうび》に残食を頂戴して舌を打つ覚悟なんだ。ただし時に
懈怠《けたい》千万な猴が火を落したり、甚だしきは余念なく歓娯最中の客連の真中へ炬....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。自分は自分の芸術を励み信心を深めることによって、せめてこの隣人への直接の奉仕の
懈怠をつぐのわしていただきたいと念ずる者である。 (一九二〇・一二・一五 於大森)....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んがらかった想像が、それからそれと思案に余るものがあると見えて、夜舟を漕ぐような
懈怠《けたい》が無いのみならず、そのもてあます思案がいよいよ重くなると共に、頭も....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
上の道徳的厳粛性というものは保てなくなる。文芸家の実行力の薄弱、社会的善の奉仕の
懈怠等は皆ここから生じるのだ。この利己と利他、厳粛主義と情緒主義との調和の問題も....
「嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
す。その役人が責任を負うや否やはその役人が具体的なその場合において、警備上実際に
懈怠があったかどうかによって定まるので、偶然その場所にいあわせたというだけの事実....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
金の事、明年の御元服料と云ひ、院中の御用と云ひ、旁所用等あり。而して泰衡空く以て
懈怠す、尤も奇怪の事なり。早く催進せしめ給ふべし。且は又国司に仰せられ畢んぬ。 ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
余が御遠慮申し上ぐべき臣魂こそ挫け候え、この段、宜しく御納得給わるよう、お身より
懈怠なく天聴に達せらるべく候。陛下には皇子をも持ち給わで、なお、微臣に食物をはぐ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
然は、「一念義|停止《ちょうじ》の起請文」をまで定めて世に示した。その文中には「
懈怠無慚《けたいむざん》の業をすすめて、捨戒還俗《しゃかいげんぞく》の義をしめす....