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懌
「懌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懌の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手堅い人物であるので、ふだんから自分の手習い子が遊芸の稽古所などへ通うのをあまり
懌ばないふうであった。それが自然とお粂の耳にもひびいているので、この場合、かみな....
「運命」より 著者:幸田露伴
たり。大事を挙げんとするに臨みて、これ何の兆ぞ。さすがの燕王も心に之を悪みて色|
懌ばず、風声雨声、竹折るゝ声、樹裂くる声、物凄じき天地を睥睨して、惨として隻語無....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
初めより始終|黙然として不快の色はおおう所なきまで眉宇にあらわれし武男、いよいよ
懌ばざる色を動かして、千々岩と山木を等分に憤りを含みたる目じりにかけつつ 「御厚....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
指《さ》したであろう。俗伝にはかの時|仏《ぶつ》竜王が己れを蓋《おお》いくれたを
懌《よろこ》び、礼に何を遣ろうかと問うと、われら竜族は常に金翅鳥《こんじちょう》....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
まれやすいと言うを、いかにも眉毛が鮮かなと讃めてくれると思うたが、拙妻聞いて更に
懌《よろこ》ばぬから、奇妙と惟《おも》いいた。ところが『郷土研究』四の四三三頁に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
果ことごとく汝の所用たるべく、汝の命は三十歳と宣《のたも》うた。人間これを承って
懌《よろこ》ばず、いくら面白く威勢よく暮したってただ三十年では詰まらないやと呟《....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
先人に奉ずるの道にあらざるべし。五尺の男子、空しく児女の啼を為すとも、父の霊|豈
懌び給わんや。あるいは恐る、日ごろ心|猛かりし父の、地下より跳り出でて我を笞つこ....