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懐抱
「懐抱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懐抱の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
わなかったですよ。先生など幸福ではあるし、得意でもあるし、これからますます自分の
懐抱を実行していかれる身なんですから」こう言って、自分の田舎寺に隠れた心の動機を....
「映画と生理」より 著者:寺田寅彦
いう独特な言葉で言い現わしたのではないかと思われる。 この訓戒はこの学者の平生
懐抱するような人生哲学からすればきわめて当然な訓戒として受け取られるのであるが、....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
たっているかも知れない。それはどんな社会だと云うと、国家枢要の地位を占めた官吏の
懐抱している思想と同じような思想を
懐抱して、著作に従事している文士の形づくってい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 と言って、そこで、今度は、またも徳川氏の農民政策問題に復帰して、おのおのその
懐抱を傾けて語り合いましたが、落つるところは、神尾主膳が百姓を憎むところの根拠の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
語で言えば、脱走者とも、脱藩人ともいう。 つまり、諸藩を脱走して、おのおのその
懐抱するイデオロギーによって自由行動をとる、当時の志ある青年武士である。藩籍にあ....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
直らせることである。それによって文学は進展する。そしてこの場合、ドン・キホーテの
懐抱する理想がたとい理想としての価値しか持たないものであろうとも、一向に差支ない....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しそれはクリストフを満足させなかった。彼はそこに職業的威厳を認めはしたが、それが
懐抱する生命の貧弱さを軽蔑していた。彼には書くために書くということが考えられなか....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ばならない周囲の競争、革命に対する信念、決定的の至高なる正義を漠然《ばくぜん》と
懐抱したがために生じた、おそらくある一時のあきらめ、身分を保たんとする意志、家庭....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
境は要するに抽象世界である。先天的な自然の生命はいみじくも悟得されようが、鶴見が
懐抱しているような、無碍自在なる事象界の具体性が実証されているものとはどうしても....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
公《たんぽぽ》茎短して乳を※《うるほす》 むかし/\しきりにおもふ慈母の恩慈母の
懐抱《くゎいはう》別に春あり 春あり成長して浪花《なには》にあり 梅は白し浪花橋....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
リンスキーに傾倒して虚無党思想についての多少の興味をも持っていたから、帝国主義を
懐抱して日本の膨脹を夢見つつも頭の隅の何処かで渠らと契合していたかも知れぬが、そ....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
か正当な人倫に立つ日本となる事を信じたい。これはいずれの処を問わず、凡ての国家が
懐抱する理想でなければならぬ。私はいつか真理によって日本が支えられる日の来るのを....