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「懐疑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

懐疑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文放古」より 著者:芥川竜之介
わ。」! わたしはある批評家の云ったように、わたしの「作家的完成を棒にふるほど懐疑的《かいぎてき》」である。就中《なかんずく》わたし自身の愚には誰よりも一層《....
河童」より 著者:芥川竜之介
等の諸宗あることを忘るるなかれ。 問 君自身の信ずるところは? 答 予は常に懐疑主義者なり。 問 しかれども君は少なくとも心霊の存在を疑わざるべし? 答....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
云う。これもそう無性《むしょう》に喜ぶほど、悪魔の成功だったかどうか、作者は甚だ懐疑的である。 (大正十一年八月)....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
すから。……勿論近代的恋愛でしょうね? 保吉 さあ、それは疑問ですね。近代的|懐疑《かいぎ》とか、近代的盗賊とか、近代的|白髪染《しらがぞ》めとか――そう云う....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
する為ではない。実は唯《ただ》その経済的ディレッタンティズムを非とする為である。懐疑主義 懐疑主義も一つの信念の上に、――疑うことは疑わぬと言う信念の上に立....
性急な思想」より 著者:石川啄木
対して反抗を試みたと全く同じ理由に於て、この国家という既定の権力に対しても、その懐疑の鉾尖《ほこさき》を向けねばならぬ性質のものであった。然し我々は、何をその人....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私はこの生命を私の思うように生きることが出来るのだ。私の唯一の所有よ。私は凡ての懐疑にかかわらず、結局それを尊重|愛撫しないでいられようか。涙にまで私は自身を痛....
星あかり」より 著者:泉鏡花
に、何家も何家も人の気勢がせぬ。 その寂寞を破る、跫音が高いので、夜更に里人の懐疑を受けはしないかという懸念から、誰も咎めはせぬのに、抜足、差足、音は立てまい....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
おそろしさに目をふさいで、快く泣ける映画が作られたということはいろんな意味で私を懐疑的にしないではおかない。 いったい芸術的に(しかも抒情的に)癩を扱った映画....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
自動書記と相違している。心霊科学に何等の実験がなく、潜在意識の所産などなどと説く懐疑者の迷を醒ますに足ると思う。 小櫻姫物語は解説によれば鎌倉時代の一女性がT....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、謙遜で、判断力に富んでいると同時に、又絶大の同情心にも富んでいた。彼はいかなる懐疑者、煩悶者をも、諄々として教え導くにつとめた。当時一般世人から軽蔑されたスピ....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
食えもする(何と云ってもこれが人間最大の幸福なのだ。)病弱な胃の腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに暗い思想や死を念う気持を胚胎させる....
最初の出品画」より 著者:上村松園
みれば極く子供らしい着想で描いたものに過ぎなかった。 絵に対する苦しみとか絶望懐疑といったものが、当時の私には全然なかったと言ってよい。絵の素材を考えたり、そ....
二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
ものは多いが、その大多数は自己一身に対しては満足して蝸殻の小天地に安息しておる。懐疑といい疑惑というもその議論は総てドグマの城壁を固めて而してドグマを以て徹底し....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
難かし屋であったのだ。 二葉亭は一時哲学に耽った事があったが、その哲学の根柢は懐疑で、疑いがあるから哲学がある、疑いがなくて仮定の名の下に或る前提を定めて掛る....