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懸かる
「懸かる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懸かるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
あ、」 と一ツしゃくり附けると、革を離して、蹌踉と凭れかかる。半纏着にまた凭れ
懸かるようになって、三人|揉重なって、車掌台へ圧されて出ると、先から、がらりと扉....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
外とは雲泥の相違あり。午後四時帰宅す。夜に入りて天ようやくはれ、一輪の秋月北天に
懸かる。詩思おのずから動く。 雨過秋宵露気寒、家書不、飽見北天光一団。 (雨一過....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だ。なまじいに余計な小刀細工《こがたなざいく》をするから、却って貴様にうたがいが
懸かるとは知らねえか。さあ、ありがたい和尚様がこれほどの長い引導を渡してやったの....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
と、すべて外よりくる価値意識の死骸の上にのみ樹てらるべきであった。天と地との間に
懸かるところの、その法則の上におのれの魂がつくられているところの、善悪の意識その....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
地獄の水潦で悪魔を威す姿だからな。
(退場。)
(月天の頂点に
懸かる。)
セイレエン等
(岸の岩の上あちこちにゐて、笛を吹き、歌ふ....
「生不動」より 著者:橘外男
り泣きの声が一層烈しく湧き起った。 「あねえになっても、やっぱり妹さんの事が気に
懸かると見える。なむあみだぶ! なむあみだぶ! お内儀さん、案じることはねえだぞ....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
ティシズムの文化運搬性をもう少し検討する前に、一寸横道にそれねばならぬ問題に引っ
懸かる。翻訳ということが矢張り一種の文化運搬であろう。翻訳とクリティシズムとの事....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
制とを同一視させないとも限らないような、それ自身危険な、自分自身がこの法文に引っ
懸かることを告白しそうな、性質のものだったのが、第一次の改正によって、二つの文章....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
を上手に働かして、成功を見るようには出来ないものか。 弥之助はこの新百姓に取り
懸かる時、この事を一農者に尋ねて見るとその人は、言下にこれを斥《しりぞ》けて言っ....
「それから」より 著者:夏目漱石
出るが、要するに端倪《たんげい》すべからざる空談である。それを基礎から打ち崩して
懸かるのは大変な難事業だし、又|必竟《ひっきょう》出来ない相談だから、始めよりな....
「魔都」より 著者:久生十蘭
真名古の過失はこの比類ない穎才を、その当初自分で用いなかったというその一点に
懸かる。しかしここにくればそれはもう運命のようなものである。「すず本」の検証にあ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
にかつて逃げ去らず。徐々《そろそろ》と身を縮め肥えてわずかに五、六寸となって跳び
懸かるその頭を拗《ひし》げば死すとある。蝮は蛇ほど速く逃げ去らぬもの故、人に詞《....
「辻馬車」より 著者:森鴎外
たのを残念に思うことは、わたくしの方が一番ひどいのです。 貴夫人。でも只今お目に
懸かることの出来ましたのは嬉しゅうございますわ。過ぎ去った昔のお話が出来ますから....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
は一般に、峠路の辻や入口にある大木の高い枝に、鉤になった小枝を下から投げあげて引
懸かるかどうかを試みる占いがあって、時々は無数にその小枝の懸っている樹を見かける....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
せた捕方の三、四人も加わり、逃げれば逃げるほど、追えば追うほど、由々しい大物でも
懸かるような騒ぎを伝えた。 京橋尻の、もと梅賀がいた家の近くに、河に添って広い....