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懸く
「懸く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懸くの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
強き故で我は弱いから残肉を貯えざるを得ぬと答えた、獅それは不便だ以後我と伴れて出
懸くべしとて一緒に打ち立つ事とした、従来善牙獅の蹤《あと》を追い残肉を食い行く性....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
て眠についた。 長い車は包む夜を押し分けて、やらじと逆《さか》う風を打つ。追い
懸くる冥府《よみ》の神を、力ある尾に敲《たた》いて、ようやくに抜け出でたる暁の国....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ところなり。 六 老人はなお女の耳を捉《とら》えて放たず、負われ
懸くるがごとくにして歩行《ある》きながら、 「お香、こうは謂うもののな、おれはお....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
聞き現金たるべし一厘にてもむだにならぬ様にすべし
一 総て身分より内輪に諸事に心
懸くべし人を見さげぬ様に心
懸くべし
一 常着は木綿筒袖たるべし
一 種物は成るべ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
方先生裸で寝て居る所へ、禁酒家の娘が百万円持参で、押し付け娵入《よめい》りに推し
懸くるところを見た人はという事ほど、さようにあり得べからざる事である。 ハツリ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
は古英国のサー・ベヴィス・オヴ・ハムプタウンがダマスクスの土牢を破り逃ぐる時追い
懸くるサラセン軍の猛将グラウンデールを殺し、その乗馬トランシュフィスを奪い、騎っ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
』に諸国で手の形を画いて邪視を防ぐ論あり。今もこの辺で元三大師の手印などを門上に
懸くる。されば猴を嘉儀の物とするに雑多の理由あるべきも邪視を避くるのがその随一だ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
これは鶏は朝早く鳴いて人を起し門戸を守る大功あれば、その報酬として鶏を殺し門戸に
懸くるというので、鶏に取っては誠に迷惑な俗説じゃ。蔡※《さいよう》の『独断』に、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
愛養中二疋は死んだが、二疋は現に生きおり、果して豕を螫し殺すか試《ため》さんと心
懸くるも、狭い田舎の哀しさ豕が一疋もないから志を遂げ得ぬ。予がかかる危険な物を愛....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いるという気持で、自然的に同感を伴うために他にも用例が出来たのである。併しこの「
懸く」という如き云い方はその時代に発達した云い方であるので、現在の私等が直ちにそ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
動明王に断食祈願した折に、 うつそみのか弱きさがをもてあまし 威怒のみ仏われ
懸くるなり 白浪の刃を交わすすべもなく 持てるふぐりをわれははじらう と詠....
「活人形」より 著者:泉鏡花
思わせぶり、とんとはたきて煙管を杖、「親方、逢わしておくんねえ。と異にからんで言
懸くれば、それと察して轟く胸を、押鎮めてぐっと落着き、「逢わせとはそりゃ誰に。亭....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
入る。一小市街なり。人口一千八百人に過ぎず。木造の寺院あり、その中に有名の神画を
懸く。この地には旅館の美かつ大なるもの多し。その市外および海州には樹木鬱然として....
「山の人生」より 著者:柳田国男
|真嘉那志十三歳、忽ち懐胎して十三月にして一男を坐下す。頭には双角を生じ眼は環を
懸くるが如く、手足は鷹の足に似たり。容貌人の形に非ず。故に之を名づけて目利真角嘉....