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懸合い
「懸合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懸合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
伏してしまった。 そこで謡を誰が代りに謡ったか記憶しないが下曲を終り、ワキとの
懸合いに入ると、やっと朔造氏が気息を繕って顔色蒼然たるまま謡い出し、山伏舞を勤め....
「「愛怨峡」における映画的表現の問題」より 著者:宮本百合子
柄にはまった達者さだけを漲らしてしまわないでもよかった。おふみと芳太郎とが並んで
懸合いをやる。文句はあれで結構、身ぶりもあれで結構、おふみの舞台面もあれでよいと....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
あの雪の夜以来、ここから外へ出ていないことを確実につき止めていた。扇屋へ向けて、
懸合いもしたし、探りもやってみたが、扇屋では、そんな客はいないというのみで取りあ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かいう男が、 「まあ、待て。ひとりや二人の乾飯ざむらい、騒ぐにゃ当らねえ。おれが
懸合いに行って、謝り証文を取って来るか、馬の小便で顔を洗わせるか、かたをつけてや....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
はない。 と、周馬は、相手のひるんだ色を、すぐ心に読んできて、その足もとへまた
懸合いをもちだした。 「まず、その刀を退いてはどうだ、分の悪い相談ならともかく、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
後はかまわん。たとえ、足利と喧嘩になろうと、こちらにも文句のあること。おもしろい
懸合いになるぞとまで、あのさいは、きつい御命でございましたのに」 「さればよ、理....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
|谷の細川三兄弟が、三人打ちそろって、これへまいる様子です」 「さては、きのうの
懸合いだな。人数は」 「いや少々の郎党だけで、べつに隊はひきいておりません」 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
それで麾下の将士はおちついたが、ただ佐々木道誉と尊氏とがこの数日交わしていた
懸合い事は何だったのか。むずかしいわだかまり好い男として来たものである。あるいは....
「懸巣」より 著者:室生犀星
口笛でぴりぴりと書斎から呼ぶとぴりぴりと答える。まるで私は終日机のところで懸巣と
懸合いをしているようなものである。けれども不思議なことには人の顔を見せると、真似....