懸垂[語句情報] »
懸垂
「懸垂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懸垂の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
す。眼前に展《ひろ》がる蒼茫《そうぼう》たる平原、かすれたようなコバルト色の空、
懸垂直下《けんすいちょっか》、何百米かの切りたった崖《がけ》の真下は、牧場とみえ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていて、鴻の羽毛で作った矢筈と云い、見るからに強靱兇暴をきわめ、クリヴォフ夫人を
懸垂しながら突進するだけの強力は、それに十分窺われるのだった。のみならず、弩にも....
「明るい工場」より 著者:宮本百合子
い建物があって、そこが、今はすっかり清潔に修繕されて、運動具置場になっている。「
懸垂」などもそこにおかれている。 教室へ入って行って見ると、仕事着を着た男女生....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の根元のところから一個の人体が、一本のロープによってほの白い文字盤の上にブラリと
懸垂し、空には風があるのか、右左に少しずつユラユラと揺れているのである。
その....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
ウド氷河の二つである。前者は前にも述べた通り、シャスタとシャスチナの間の、鞍部に
懸垂しているが、アルプスのベルニーズ・オーバアラント山地あたりの大氷河に比べると....
「上海」より 著者:横光利一
った。無数の頭が肩の下になり、肩が足の下にあった。彼らは今にも墜落しそうな奇怪な
懸垂形の天蓋を描きながら、流れては引き返し、引き返しては廻る海草のように揺れてい....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た。 霧が驟雨のように流れて行った。 ああ、さるおがせ。寒い寒い幽かな糸状の
懸垂。英国風のクラシックな風景画の黒椴の骨格。その枝々のあのさるおがせ。 そう....