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懼る
「懼る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懼るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
験して何人食ったと判るとある。また『淵鑑類函』に〈虎小児を食わず、児痴にして虎の
懼るべきを知らず、故に食わず、また酔人を食わず、必ず坐して守り以てその醒《さ》む....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
キリストの再臨に関する警告二つ。同十二章三十五節以下四十八節まで。序に「小き群よ
懼るる勿れ」との慰安に富める三十二節、三十三節に注意せよ。 人は悔改めずば皆な尽....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
口実を以て申すのではございませぬ。マタイ伝に「身を殺して魂を殺すこと能わずる者を
懼るる勿れ」と、あります。之が確かな宣言でございまする』 以上、坂下鶴吉の言葉....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
るより兵を挙ぐるに如かずとなった。 「天主の教を奉じての事故日本全土を敵とするも
懼るるに当らない。況んや九州の辺土をや。事成らばよし、成らずば一族天に昇るまでの....
「運命」より 著者:幸田露伴
に死せんと欲す。 燕王|遂に復師を帥いて出づ。諸将士を諭して曰く、戦の道、死を
懼るゝ者は必ず死し、生を捐つる者は必ず生く、爾等努力せよと。三月、盛庸と來河に遇....
「斜陽」より 著者:太宰治
の町々を巡り尽さぬうちに人の子は来るべし。 身を殺して霊魂をころし得ぬ者どもを
懼るな、身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ。われ地に平和を投ぜんために来....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
。ばかにしていやがる。今夜は、これから聖書を読んで寝よう。 心安かれ、我なり、
懼るな。 四月二十日。火曜日。 晴れ、といっても、日本晴れではない。だいたい....
「賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
た。 「お前は人間界で何をしてる」 仙妃の片手は青年の肩にかかっていた。青年は
懼る懼る答えた。 「私は盗尉部の下吏でございます」 「名は何という」 「――とい....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ほし」とありけるが、一人も所存を申し出づるもの無く、ひたぶるに国老雲井家の咎めを
懼るゝ体也。虹汀其心を察し、その日の裡に厚く労ひて家人に暇を与へ、家屋|倉廩を封....
「トカトントン」より 著者:太宰治
勇気を必要とするものです。マタイ十章、二八、「身を殺して霊魂をころし得ぬ者どもを
懼るな、身と霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ」この場合の「
懼る」は、「畏敬....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ゆるにあらず、また牛を見ていまだ羊を見ざる故にあらず、牛は死を聞いて太《いた》く
懼るがために忍びず、故にいうその※※として罪なくして死地に就《つ》くがごときに忍....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
そ》かに城中に屯《たむろ》す、けだし諸公|預《あらかじ》め禍《わざわい》の及ぶを
懼るるなり。あるいは曰く、北野天満神の廟の牝鶏晨を報ずるなり。神巫《みこ》これを....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
舞い落ちて、彼の肩を離れず、その個所のみ彼を傷つけるを得ん。されば、われその手を
懼るるなり】 それから、三句ばかりの後にも、次の一つがあった。 Said s....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は余らもまた仲間割れをせり。余は到つて臆病なりしかばかかる時は常に両人中余の尤も
懼るる方に附き随ひて媚を献じてその機嫌を取れり。 余はかくの如く他人に対して臆....
「山の人生」より 著者:柳田国男
、山家に住みながら川童予防の護符を発行した。すなわち夏日水辺に遊ぶ者の彼らの害を
懼るるごとく、山に入ってはまた山童を忌み憚っていた結果かと思われるが、近世に入っ....