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懼れる
「懼れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懼れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
を働くのを予め阻止することにもなるのだ。一刻も早く彼を殺さねばならぬ。しかし予は
懼れる。あの悧発な『縮小人間』が予のこの危惧と殺意に気づかぬ筈はないのだ。今や時....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すぎまいと思われるのです」
そう云い終ると、にわかに鎮子は、まるで算哲の報復を
懼れるような恐怖の色を泛べた。そして、来た時とはまた、うって変った態度で、熊城に....
「賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
た。 「お前は仙縁があるから、ここへくることができた、お前を幸せにしてあげるから
懼れることはない」 青年は夢の中の人のような気になって起ちあがった。仙妃は青年....
「陸判」より 著者:田中貢太郎
いて言った。 「何の怨みもないのに、なぜ僕を殺すのだ」 陸は笑って言った。 「
懼れることはない、僕は君のために、聡明な心を入れかえているのだ」 陸はしずかに....
「弟子」より 著者:中島敦
。子路は孔子に早く辞《や》めてもらいたくて仕方が無い。師が臣節を汚《けが》すのを
懼れるのではなく、ただこの淫《みだ》らな雰囲気《ふんいき》の中に師を置いて眺《な....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ある。私はいま少し生活に対する批評的精神が校内に起こらねばならぬと思う。ただ私が
懼れるのは私がはたしてあなたを理解してるかどうかということである。もし私の理解が....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
の哲学だけがソヴェート同盟で支配しているということは、決して、ブルジョア学者達が
懼れるように哲学の自由を遂げることが出来る。唯物弁証法の哲学というたった一つの哲....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
の家へ一ツの暗い、醜い影を投げ付ける事になりやしないだろうかを憂えた。 親切を
懼れるのは善くない。――だが、なろうことなら、自分の悲惨を家の人達に際立って感じ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
した。昨日の午後、局長と鼎座の席で、この現場整備から君を除外したのは、君の敏腕を
懼れるからだといった。この事件の裏に、辛辣な君に触れて貰いたくない政府の機密がひ....