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懽
「懽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
懽の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
…うむ、検事代理というのかい」 老いたる役員はわが子の出世を看《み》るがごとく
懽《よろこ》べり。 当時《むかし》盲縞《めくらじま》の腹掛けは今日黒の三つ紋の....
「嬌娜」より 著者:田中貢太郎
暮れてからまた酒になった。公子は孔生のあいてをしながら言った。 「今晩じゅうぶん
懽を尽しましょう、明日はまたどんなさしさわりが起らないともかぎりませんからね」 ....
「阿宝」より 著者:田中貢太郎
孫はそこで阿宝を親しく迎えて結婚したが、二人は互いに世を隔てて逢った人のように
懽んだ。 孫はそれから細君が化粧料として持ってきた金ですこし豊かになった。また....
「竹青」より 著者:田中貢太郎
かかりに来たのです」 魚はますます喜んだ。ちょうど久しく別れていた夫妻のように
懽恋にたえなかった。そこで魚は竹青を自分の故郷へ伴れて往こうとした。 「南へ往こ....
「庚娘」より 著者:田中貢太郎
ん。」 王はひどく悦んで庚娘を大事にした。夜になってしまってから王は女を曳いて
懽を求めた。女は体※に託してはぐらかした。王はそこで細君の所へいって寝た。 初....
「阿霞」より 著者:田中貢太郎
ないことよ。」 とうとう朝早く帰っていったが、夜になると果して来た。二人の間の
懽愛はきわめて篤かった。また数日して女はいった。 「私たち二人の間は佳いのですけ....
「田七郎」より 著者:田中貢太郎
をしようとした。そこで七郎が来たが、二人の意気がしっくりあっていて二人ともひどく
懽びあった。武は七郎に金を贈ろうとした。七郎はおしのけて手にしなかったが武が虎の....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
のさ蕨の萌え出づる春になりにけるかも 〔巻八・一四一八〕 志貴皇子 志貴皇子の
懽の御歌である。一首の意は、巌の面を音たてて流れおつる、滝のほとりには、もう蕨が....
「取舵」より 著者:泉鏡花
が、 「ああ、お前｜様不自由なんだね。」 かくと聞くより、盲人は飛立つばかりに
懽びぬ。 「はい、はい。不自由で、もう難儀をいたします。」 「いや、そりゃ困るだ....