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戎衣
「戎衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
戎衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
加之始終斗満川の伴奏。手を膝に眼を閉じて聴く八十一の翁をはじめ、皆我を忘れて、「
戎衣の袖をぬらし添うらん」と結びの一句|低く咽んで、四絃一|撥蕭然として曲終るま....
「李陵」より 著者:中島敦
る辺の磽※《こうかく》たる丘陵地帯を縫って北行すること三十日。朔風《さくふう》は
戎衣《じゅうい》を吹いて寒く、いかにも万里孤軍来たるの感が深い。漠北《ばくほく》....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
びた髭の濃い男の顔が見えた。彼等は、皆黙って、折々枝切れで火の工合をなおしたり、
戎衣《じゅうい》の間から何か出して、隣のものにやり、自分でもぽつぽつ前歯で噛んだ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
謂うことも、永き夏の日に尽きざるに、帰営の時刻迫りたれば、謙三郎は、ひしひしと、
戎衣を装い、まさに辞し去らんとして躊躇しつ。 書斎に品あり、衣兜に容るるを忘れ....
「生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
いだにこの不思議な後仕末も済んで、ツインコタの人々は、おらが町の勇士として、重い
戎衣に身を固めて長列に加わって進軍するベラ・キスの姿を見送った。一年半経って、戦....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
大夫行房と、勘解由ノ次官光守は、衣冠すがたで、馬上。ほかの公卿官人はみな、騎馬|
戎衣(軍装)で供奉についた。 出雲の守護、塩冶判官高貞も、国元兵をつれて、前駆....