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成る可く
「成る可く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成る可くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
働いていた。そこで彼は少くとも現在以上の動揺を心に齎《もたら》さない方便として、
成る可く眼を演壇から離さないような工夫《くふう》をした。
金屏風《きんびょうぶ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ナニ、秀子の知らぬ事だから何も虎井夫人の罪の為に秀子を疑う可き道はないなど、余は
成る可く我が心で疑いを掻き消す様にしたが、実際秀子に逢って其の美しい顔を見ると、....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
生懸命に成て種々の書籍を取出しヤッと髪の毛の性質だけ調べ上げました(荻)無駄事は
成る可く省いて簡単に述るが好いぜ(大)ハイ無駄事は申しません先ず肝腎な縮れ毛の訳....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
ールの此家に住で居る伯父を殺したと云う嫌疑で捕縛の為め出張致しました」警察長は、
成る可く彼れの言葉を切縮させんと思う如く、将た感心する如くに「其通り、其通り」と....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
せの通りあれが行方不明になりましたのは丁度三年前です。この頃はもう諦めましてな、
成る可く思い出さないようにしているのです。 貞子は長女です。兄が一人ありますが....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る失望であったが、井水が清んだのでいさゝか慰めた。農家は毎夜風呂を立てる。彼等も
成る可く立てた。最初寒い内は土間に立てた。水をかい込むのが面倒で、一週間も沸かし....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
あります。 ガラス 油絵で云えばカンヴァスに当るものです、描くべき此のガラスは、
成る可く薄くて、凸凹や泡のないものを選び度いのです。昔しのものは、殆んど紙の如く....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ったが、今日はそれとは全く違って居る。 即ち成る可《べ》く多く肥料に金をかけ、
成る可く多くの収穫を上げようとする行き方になって居る、資本を多く投入して収益を多....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
可《べ》し。多産又は病身の母なれば乳母を雇うも母体衛生の為めに止むを得ざれども、
成る可くば実母の乳を以て養う可し。母体平生の健康大切なる所以《ゆえん》なり。小児....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
か更に見当がつかない。何でも高い方へ登りさえすれば甲武信岳へ出られるというので、
成る可く雪を避けるようにして左へ巻きながら登った。藪が一きわ烈しくなって、石楠の....