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成人
「成人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
わたしの寿命《じゅみょう》を延ばして下さい。たった五年、たった十年、――子供さえ
成人すれば好《よ》いのです。それでもいけないと云うのですか?
使 さあ、年限は....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ない。殊に自分なぞはそれから七八年、中学から高等学校、高等学校から大学と、次第に
成人《おとな》になるのに従って、そう云う先生の存在自身さえ、ほとんど忘れてしまう....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
玩具に似ている。緋縅《ひおどし》の鎧《よろい》や鍬形《くわがた》の兜《かぶと》は
成人の趣味にかなった者ではない。勲章も――わたしには実際不思議である。なぜ軍人は....
「或る女」より 著者:有島武郎
身を震わしてやにわに胸に抱きついて来て、乳の間のくぼみに顔を埋《うず》めながら、
成人《おとな》のするような泣きじゃくりをして、
「もう行っちゃいやですというのに....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
まに血を下した。そして小屋の中が真暗になった日のくれぐれに、何物にか助けを求める
成人《おとな》のような表情を眼に現わして、あてどもなくそこらを見廻していたが、次....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。この船で五穀の禾束や、いろいろの道具や、武器などが運ばれてきた。彼はだんだんに
成人して人間の首長となり、発火錐で作った火を彼らに授け、また種々のルーネン(Ru....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
で、毎日毎日|温和しく寝ていた幼童――といっても生きていれば今では妾と同じように
成人している筈だ――のことだった。 「なぜ、あの幼童は、暗い座敷牢へ入れられてい....
「火星探険」より 著者:海野十三
彼は山木たちの方へ出て来て、 「へえっ。君たちは地球人の少年かね。おれは君たちが
成人した地球人だと思っていたが……」 「そうです、ぼくたち四人は少年です」 「四....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
設計命令下る 話は、それから、急に五年先へとぶ。 岡部一郎は、今やりっぱに
成人して、ある機械化兵団《きかいかへいだん》の伍長《ごちょう》になっていた。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
俗に神の申子は弱いなどと申しますが、決してそのようなものではなく、この児も立派に
成人して、父親の実家の後を継ぎました。私のところにまいる信者の中では、この人達な....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
この児に気づいた者は無論たくさんあったであろうが、しかし誰れ一人として、この児が
成人してから、世界を驚すような大科学者になろうと思った者があろうか。 この児の....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
利の住人、南江備前守正忠の末の妹で、幼い時に父母に訣れ、兄正忠夫妻の教育を享けて
成人した淑徳高い女性である。 それで南江備前守の肖像でも――と探してみたがこれ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
」 「いや、もう年を取りました。知人は皆二代、また孫の代じゃ。……しかし立派に御
成人じゃな。」 「お恥かしゅう存じます。」 「久しぶりじゃ、ちと庫裡へ。――渋茶....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
をやり、今は大金持ちになっています」 「女の子は?」 「その事なのです。女の子が
成人した暁、必ず譲治を恨むに違いない。恨まれるのは仕方がないけれど、彼女が世間へ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
、一八〇二年に結婚した。その翌年娘が生まれたが、これは丈夫に育って今ではすっかり
成人した。娘はしっかりした正しい判断力とともにまたその父親の朗らかな性質を承けて....