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成仏
「成仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
こっそり床をぬけ出して、酒臭い唇《くちびる》に、一切衆生《いっさいしゅじょう》皆
成仏道《かいじょうぶつどう》の妙経を読誦しようとするのである。……
阿闍梨は褊....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
に逢わせ申そうよ」と、彼は事もなげに受け合った。 「八歳の龍女が当下《とうげ》に
成仏したことは提婆品《だいばぼん》にも説かれてあります。いかに罪業《ざいごう》の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しまった。そうして、仏壇に燈明を絶やさないようにして、ゆうべ道連れになったお安の
成仏を祈り、あわせてお雪と自分との無事息災を日頃信心する御祖師様に祈りつづけてい....
「蠅男」より 著者:海野十三
。誰かに殺されてやったかしらへんけれど、きっと私が敵を取ったげるしい。迷わんと、
成仏しとくれやす。南無阿弥陀仏。――」 糸子はワナワナ慄う口唇をじっと噛みしめ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
暖睡の貴さよ。眠っていては相済まぬ。いや眠らせて頂いて、起きたら散華の勇士たちの
成仏せられるよう働かねばなるまい。 ◯きょう二十七日、果して敵機はやってきた。こ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いう諺があって、水に死んだ者のたましいは、その身代りを求めない以上は、いつまでも
成仏できないのである。したがって、水鬼は誰かを水中に引き込んで、その命を取ろうと....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
たしたでございます。 主もおわさば聞し召せ、かくの通りの青道心。何を頼みに得脱
成仏の回向いたそう。何を力に、退散の呪詛を申そう。御姿を見せたまわば偏に礼拝を仕....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
その中へこの……」 お米は着流しのお太鼓で、まことに優に立っている。 「おお、
成仏をさっしゃるずら、しおらしい、嫁菜の花のお羽織きて、霧は紫の雲のようだ、しな....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
相当するというもいよいよ不思議と、何れも奇異の感に打れて、兎も角もそのお住の得脱
成仏するように、仏事供養を営むが可かろうという事に一決して、一同その墓所へ参詣し....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
、他宗ながら忰源兵衛の菩提も、こなたで弔い追善供養。三密|瑜伽の加持力にて、安養
成仏諸共に、即身
成仏兼ね得させん。心を安めよ仏子源右衛門』 源右衛門(額ずきつつ....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
は修羅の妄念でござりまする。とは云え、世になき人の執念は、法華経の功力によって、
成仏解脱のすべもあれど、容易に度しがたいは、世にある人の執念……。甥の景清にも一....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
事おへん、前刻落ちたら、それなり、地獄え。上が清水様どすよって、今度は転んだかて
成仏どす。」 などと京人形が口を利いた。 手水鉢で、蔽の下を、柄杓を捜りなが....
「迷信解」より 著者:井上円了
密と人の三密と互いに相加わり相通ずる意味である。この三密加持の修行によりて、即身
成仏ができると申しておる。よって、世間の祈祷ということとは意味が違っておるけれど....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
るめての宇宙の大生命体を指して言うのです。そして、この宇宙の万物は「草木国土悉皆
成仏」(涅槃経は専らこの思想を説き明す)と言って、生物も無生物も、みな満足の状態....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
。こう申すとまことに姑息なやり方のようですが、私共がお経を上げて迷っているものを
成仏させるように、あなたの方にも何かそういう方法がおありではないでしょうか? た....