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成案
「成案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成案の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と思われましたものでしたから、そのときはこう、このときはこうと、それぞれに対する
成案をたてておいて、静かに右門はすずめずしの二階で、今の使いの結果を待ちうけまし....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
以上の熱心さを以て夜となく昼となく考え抜いた結果、これなら大丈夫と思われる一つの
成案を得た。 一知は先ず勝手口の継《つ》ぎ嵌《は》め戸《ど》の、一枚の板の釘の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
重も捕えられることになったのである。老練の兼松もここへ来るまでは、別にこれという
成案もなかった。おぎんに眼を着けたのが彼の手柄でもあるが、それとても実はまぐれあ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
を練っていた処文部省から正式に実業教育改善意見の答申を嘱されたので、この懇談会の
成案を答申書として提出することになった。 要点の第一は、高等学校(高等科)を廃....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ます。それで今宵《こよい》出て来たいろいろの議論を参考として、次回の集まりまでに
成案を立てるというだけはここできまりました。 それから各自になるべくその主張す....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
題の解決にあるとしても私があの作を書いたときにはむろんのこと、現在においてもその
成案は持ってないことをここに告白する。しかし私はその問題の解決に興味を感じないの....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
いくら鄭重慇懃でも、脅迫状は嬉しくない。受取人の苅谷勘一郎は焦慮熟考の末、一つの
成案を得た。 (こういう事件は、警察へ話すよりも、先ず袋猫々探偵に相談した方がい....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
という。議会はいつ開かれるのかまだ決定していないらしいが、内務省は拙速主義でその
成案を得ることにするそうである。つまり風水害地に於ける金融無能者は、復興の特典に....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ある。噂のその後は知らないが、然しすでに内務省警保局ではその春言論の国家的統制の
成案をほぼ得たというのは事実である。内閣直属の情報部を置いて、ここから新聞社や通....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
府の海軍は新鋭無比なるものである――そうして、その財政と、軍費に至っては、小栗に
成案があったはずである。 かくて小栗は十分の自信を以て、これを将軍に進言、とい....
「思い」より 著者:伊丹万作
最初改革の基本案が発表せられてから、もう二週間以上にもなるかと思うが、いまだに
成案の眼鼻がつかず、それ以来やすみつきりの撮影所もある。何も好んで休んでいるわけ....
「それから」より 著者:夏目漱石
り得る破裂をさえ予想した。然し、その時はどんな具合にして、三千代を救おうかと云う
成案はなかった。代助は三千代と相対ずくで、自分等二人の間をあれ以上にどうかする勇....