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成程
「成程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成程の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
け》には行かなかった。
玄鶴の一生はこう云う彼には如何にも浅ましい一生だった。
成程ゴム印の特許を受けた当座は比較的彼の一生でも明るい時代には違いなかった。しか....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
通り御聴き取り下さる訳には参りますまいか。」
私は答に躊躇《ちゅうちょ》した。
成程《なるほど》専門の上から云えば倫理学者には相違ないが、そうかと云ってまた私は....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
三
やがて髪長彦《かみながひこ》が生駒山《いこまやま》へ来て見ますと、
成程山の中程に大きな洞穴《ほらあな》が一つあって、その中に金の櫛《くし》をさした....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
て、
「こりゃ平太夫、その方が少納言殿の御恨《おうらみ》を晴そうと致す心がけは、
成程|愚《おろか》には相違ないが、さればとてまた、神妙とも申されぬ事はない。殊に....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
りながら、彼ばかりでなく彼の細君も至極健康だと答えるのです。そう云われて見れば、
成程一年ばかりの間に、いくら『愛《アムウル》のある結婚』をしたからと云って、急に....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
活動写真に映る西洋の曾我《そが》の家《や》なんだそうだ。これには、僕も驚いたよ。
成程《なるほど》幕の上でには、ちがいない。
ほかの連中は、悪い落《おち》だと思....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
傷的な心もちに過ぎなかった。それが証拠には、袈裟との交渉が絶えたその後の三年間、
成程《なるほど》己はあの女の事を忘れずにいたにちがいないが、もしその以前に己があ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
笑を浮べたではないか?
「御覧。東京はもうあの通り、どこを見ても森ばかりだよ。」
成程《なるほど》二階の亜字欄《あじらん》の外には、見慣ない樹木が枝を張った上に、....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
からね。」
と、何度も繰り返して云ったそうです。
さて明くる日になって見ると、
成程《なるほど》祖母の願がかなったか、茂作は昨日《きのう》よりも熱が下って、今ま....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
馬の上から転げ落ちた何小二《かしょうじ》は、全然正気を失ったのであろうか。
成程《なるほど》創《きず》の疼《いた》みは、いつかほとんど、しなくなった。が、彼....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
る――それだけで、この老人の所謂《いわゆる》事実も、略《ほぼ》正体が分っている。
成程これは気違いでも何でもない。ただ、義経《よしつね》と鉄木真《てむじん》とを同....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
心なるものをも信じない。唯昔の苦行者のように無何有の砂漠を家としている。その点は
成程気の毒かも知れない。しかし美しい蜃気楼《しんきろう》は砂漠の天にのみ生ずるも....
「運」より 著者:芥川竜之介
うから、とてもの事に夫婦《みょうと》になってくれと申したそうでございます。」
「
成程。」
「夢の御告げでもないならともかく、娘は、観音様のお思召《おぼしめ》し通....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように如何にも俊爽の風を帯びている。
成程これでは小児などに「いやに傲慢な男です」と悪口を云われることもあるかも知れな....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
がある。僕はその時天岡の翁も、やはり小杉氏の外貌に欺かれているなと云う気がした。
成程小杉氏は一見した所、如何にも天狗倶楽部らしい、勇壮な面目を具えている。僕も実....