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成立つ
「成立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
成立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
集会で、談政治に渉ることは少ないが、宗教、文学、美術、演劇、音楽の品定めがそこで
成立つ。現代における思潮の淵源、天堂と食堂を兼備えて、薔薇薫じ星の輝く美的の会合....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
考えと全く相当する定理に到達している。すべての物は土、空気、火及び水の四元素から
成立つ。ある物体がなくなるように見えるのは、ただその物の組成(この四元素の混合関....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
自己等の生活を安固幸福にするのを悦んだためであるか、何時となく自治制度様のものが
成立つに至って、市内の豪家鉅商の幾人かの一団に市政を頼むようになった。木戸木戸の....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ノサマはサギ師でなく商取引の約束をまだ果していなかった、それだけだ、という弁解が
成立つ可能性がある。 世耕事件の静岡の糖蜜問題がこのデンの好見本で、世耕氏へこ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
も店の繁昌、これをブチこはしたんぢや話にならない。お金といふ後楯があつて紳士道も
成立つのだから、天妙教と手を切る、そのために店がにはかに衰微しちやいけないから、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
は、男女関係に於ても見られる。妖婦の魅力は、男に騙される快感があることによって、
成立つ部分が多いのだろうと思う。嘘とは知っても、完璧に騙されることの快感だ。この....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
。P-S=P。これは変な関係だ。いや変ではない。こういう関係はSが0のときのみに
成立つ。これでいい。第二の鍵はこのSが0であることだった。 そこで運算書の中の....
「光は影を」より 著者:岸田国士
凡な勤めは真つ平なんだ」 「平凡と来やがらあ。勤めは、どつちみち平凡を基礎にして
成立つもんだ。そいつを、平凡でなくするのは、頭と腕だよ」 「また、お説教か。それ....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
ることによって生ずる一つの感覚芸術であるという誤解です。少くとも肉体のみによって
成立つ芸術だと思っている一つの誤解、これを先ず改めさせなければいけない。これも少....
「笑について」より 著者:岸田国士
攣を起すからだ。つまりおかしいから笑うのではなく笑うからおかしいのだという説明が
成立つらしいのです。こうなると問題がちよつとややこしくなります。もつと常識的に考....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
筋に考えたものであったが、今思うとそれは予の考違であった、茶の湯は趣味の綜合から
成立つ、活た詩的技芸であるから、其人を待って始めて、現わるるもので、記述も議論も....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
肉声、器声の音律や、歴史、伝説、追憶、回想、そういうものが舞う人の妙技と合致して
成立つものですが、殊にこの能楽というものは、泣く、笑う、歓喜する、憂い、歎ずる、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
主義の使い方だと思います。かくして健全な独立した個人による調和された社会、国家が
成立つのであります。仏教でも、まず第一に自己を立てることを勧めます。お互いが自己....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
それから三峰では直ぐ頭の上で啼くので、しぼるような肉声も明瞭であり、人工説などの
成立つ余裕も何もなかった。T君も私もしばらく苦笑して居らねばならなかった。ただ私....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
輪の如き因縁をもって共に発達し、共に退歩しているものと、私は見ている。一方だけで
成立つものではないようだ。この意味から言うと、中国の料理は明代が最高潮を呈してい....