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「成育〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

成育の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
想片」より 著者:有島武郎
できない。一つの種子の生命は土壌と肥料その他唯物的の援助がなければ、一つの植物に成育することができないけれども、そうだからといって、その種子の生命は、それが置か....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
非常の苦心をもって研究しました。植物界広しといえどもユトランドの荒地に適しそこに成育してレバノンの栄えを呈《あら》わす樹はあるやなしやと彼は研究に研究を重ねまし....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
の女はかの女の中核へ規矩男の俤を連れ出してみようか――今やかの女のむす子を十分な成育へ送り届け、苦労も諸別もしつくしたかの女の母性は、むしろ和やかに手を差し延べ....
ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
哲学の入門書と言はれるアフォリズム「人間的な、あまりに人間的な」でさへも、相当に成育した一般の文化常識と、特に敏感な詩人的感覚とを所有しない読者にとつては、決し....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
が発達しない。即ち神道の所謂《いわゆる》「言論せぬ国風」で、一切思想というものが成育しない。実に驚くべきことは、古代の純粋の日本語には、一も抽象観念を現わす言語....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
に割り出されます。良人の仕事なんかはどうでもいいのです。良人はただ、子供の立派な成育に必要なだけの金と地位とを得てさえくれれば、それで十分なんです。――それから....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
ものは、旧なるものを打倒しなければならないと共に、それ自身はまだ根柢浅く、充分の成育はなかなか見通しがつき難いであろう。その上、斯かる新らしさは明日は直ちに旧さ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にがにが》しい悲しみを、彼はもう感じなくなっていた。彼はいっそう強くなりいっそう成育していた。万事かくのごときものだということを知っていた。パリーにかけていた幻....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
フランス大革命を頂点とする十八世紀より十九世紀への一大転向、隷属《れいぞく》的封建制度の瓦解と自由統一的立憲制度の成育とは、新世界をもたらすものと考えられていた。そして実際新世界は開かれた。しか....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
したものだなと考えさせるところがあるね。女傑は貞操をすてることによって、頭脳的に成育する時間を甚だしく短縮すると見ましたが、どうですかな?」 せつ子は顔をそむ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
が、弾み上り、ドタドタとかけ上って来る足音がして、勢いよく襖が開いた。 あまり成育しない前に、熟れてしまった果物のような、小柄な、身体全体が、ピチピチした――....
ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
の知らぬ間に、私の中に生長していた。そして、私の中に生長した彼女は、もはや現実に成育している彼女とは別の人であるのかも知れなかった。私の中の彼女は、いわば一つの....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
くのことで御正気。軽い驚風《きょうふう》ということで、その後は恙《つつが》なく御成育になり、元服と同時に、相違なく家督相続さしゆるされるむね、お達しがあり、家中....
」より 著者:犬田卯
ちたことであったろう。そのため家を飛び出した長兄は他郷に死し、祖父母の許にあって成育した彼女と弟とのみが、辛うじて一人前になったが、いや、そのことよりも何よりも....
澪標」より 著者:外村繁
い。それでいて、それとなく淑子の姿を探している。淑子は学業も勝れ、体格も近来急に成育し、女生徒の先頭である。容貌も既に美しい輪郭を整え初めている。そんな淑子を見....