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「成虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

成虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
はえぞしろちょうが夥《おびただ》しく飛び廻った。大豆《だいず》にはくちかきむしの成虫がうざうざするほど集まった。麦類には黒穂の、馬鈴薯《ばれいしょ》にはべと病の....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
どこまで美しく蘇返った。 お玉杓子《たまじゃくし》が湧き、ちゃくとり――油虫の成虫――がわやわや云いながら舞いさわぐ下の耕地にはペンペン草や鷺苔《さぎごけ》や....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
を尽くすのである。尊重はしても軽侮すべきなんらの理由もない道理である。 うじが成虫になってはえと改名すると急に性《たち》が悪くなるように見える。昔は五月蠅《ご....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
ない。 例えば昆虫の生涯を考えても、卵から低級な幼虫になってそれがさなぎになり成虫になるあの著しい変化は、昆虫の生涯における目立った律動のようなものではあるま....
」より 著者:斎藤茂吉
ったのも居た。僕はそれ等をあつめ、重曹の明瓶などに飼っていたことがある。無論蚤の成虫もつかまえて飼って居た。時々前膊の皮膚に瓶の口を当てて血を吸わせたりする。蚤....
小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
もなかなか面白いと思った。それから手近な動物の事をかいた書物を捜したが、この虫の成虫であるべき蝶蛾がどんなものであるか分らなかった。英語では何というかと思って和....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
は、畳の隅、絨毯の下などには幾つも幾つもいたものである。私はある時その幼虫と繭と成虫とを丁寧に飼っていたことがある。特に雌雄の蚤の生きている有様とか、その交尾の....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ウキャク》、白果樹、銀杏である Ginkgo biloba L. に精子すなわち成虫(Spermatozoid)があるとの日本人の日本での発見は青天の霹靂で、天....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
私〉とが違っていて、二人の〈私〉のあることを私は不思議に思いませぬ。それは幼虫と成虫との相違です。蚕と蝶々の相違です。…… 現在の私は自由なる霊で、過去の〈あ....
蛆の効用」より 著者:寺田寅彦
力をつくすのである。尊重はしても軽侮すべきなんらの理由もない道理である。 蛆が成虫になって蠅と改名すると、急にたちが悪くなるように見える。昔は「五月蠅」と書い....