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我も我もと
「我も我もと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我も我もとの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
いうて、信心渇仰《しんじんかつごう》の善男善女《ぜんなんぜんにょ》? 病男病女が
我も我もと詰《つ》め懸《か》ける。
それというのが、はじまりはかの嬢様が、それ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
と一滴こぼしたそうで、これを聞いた武田の遺臣ども、武骨者だけに感激するのも早く、
我も我もと安い月給で徳川家に随身したそうであるが、これを今日の皮肉極わまる歴史家....
「愛卿伝」より 著者:田中貢太郎
美しい中にも、清楚な趣のあった女のように思われる。風流の士は愛卿のことを聞いて、
我も我もと身のまわりを飾って狎れなずもうとしたが、※学無識の徒は、とても自分達の....
「尼になった老婆」より 著者:田中貢太郎
なら、万に一つも拝めないと云うことはないと申しましてな、藤沢から小田原にかけて、
我も我もと出かけてまいりました。手前も門跡様がお着きになると云う日は、朝から渡世....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
叩いて踊つてゐる。月給千円、食事づきで雇ひたいと申しでると全員にわかに殺気立つて
我も我もと申出るのを押しとゞめ一室をかりて一人づゝ口答試問を行ふ。出張テストとい....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
尋ね廻った。 ジョン少年失踪の評判が隊全体に拡がった時人達はいずれも仰天した。
我も我もと天幕を出て隊長の周囲へ集まった。 そうして四組の捜索隊が忽ちのうちに....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
な痛快な判決はできるだろうけど、その後始末がつかないでしょう。男の子は喜び勇んで
我も我もと慰藉料を請求したいにきまっているが、女の子は払ってくれないね。 日本....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
犇々と火の手が攻めかけて来るのだが、その間は横丁の角々は元より到る処荷物の山で、
我も我もと持ち運んだ物が堆高くなっている。それを火勢に追われて逃げて来る人々は、....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
ルレ少年の勝利は大変なものである。 ある日ボートルレ少年の勝利の祝が開かれた。
我も我もとその祝の会に集まったものは三百人以上であった。十七歳の少年は今日は凱旋....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
であります。それは官軍が彰義隊から分捕った糧米を、その見物の連中に分配しますと、
我も我もと押し迫り、そのゴタゴタ中に一俵二俵と担いで行く……大勢のことで、誰がど....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
るような綺麗な娘になって行った。世の中の男どもは、あれの美しさに惹きつけられて、
我も我もとこの儂のところに云い寄って来ては、執拗くあれを所望したが、誰も彼もみな....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
益々人気を湧かして、浅草の西洋覗眼鏡を見ないものは文明開化人でないようにいわれ、
我も我もと毎日見物の山をなして椿岳は一挙に三千円から儲けたそうだ。 今なら三千....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
一の宝として尊重せられた奈良の御代において、陸奥から黄金が発見されたと聞いては、
我も我もとその宝の山に分け入りたくなる。「鳥が鳴く東の空に僥倖しに、行かんと思へ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れども、内々は大いに英領インドを賛嘆して喋々と吹聴するものですから、チベット人は
我も我もと先を争うてインドへ出掛けて来て、相当の利益を得ては国へ帰って吹聴すると....
「河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
はない。のれんを誇った料理の老舗も、「ふぐは扱いません」などとはいっておられず、
我も我もとふぐ料理の看板を上げつつあるのが、きょうこのごろの料理屋風景である。し....