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我れ
「我れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ののんき過ぎたのに気がついたに違いない。充分の思慮もせずにこんな生活の渦巻の中に
我れから飛び込んだのを、君の芸術的欲求はどこかで悔やんでいた。その晩、磯臭い空気....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
雄の言行を学ぶのは、やがて聖人でもあり英雄でもある素地を造る第一歩をなすものだ。
我れ、舜の言を言い、舜の行を行わば、即ち舜のみというそれである。かくして、お前は....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
松川場主の子供がよたよたと埒《らち》の中へ這入《はい》った。それを見た笠井の娘は
我れを忘れて駈け込んだ。「危ねえ」――観衆は一度に固唾《かたず》を飲んだ。その時....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
、同時に窓の下の出来事はずんずんクララの思う通りにはかどって行った。 夏には夏の
我れを待て。 春には春の
我れを待て。 夏には隼を腕に据えよ。 春には花に口を触れ....
「星座」より 著者:有島武郎
柿江はいやな夢でも見ているような心持になったが、どういうつもりだったか、奇怪にも
我れ知らず笑いだした。大声を上げていつまでもげらげらと。女たちがそれをおかしがる....
「活人形」より 著者:泉鏡花
後暗いことのある者は、あれを知らぬは無いくらいだ。といえば八蔵はしたり顔にて、「
我れも、あの創を目標にして這ッ面を覚えておりますのだ。「むむ、汝はな、これから直....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
こまで乱脈だか分りません。火の玉め、悠々落着いて井戸端へまわって出て、近所隣から
我れさきに持ち出した、ばけつを一箇、一杯|汲み込んで提げたは可いが、汝が家の燃え....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
爺を打つ……」 そこでふと趙太爺の威風を想い出し、それが現在自分の倅だと思うと
我れながら嬉しくなった。彼が急に起き上って「若|寡婦の墓参り」という歌を唱いなが....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
出すに名あり」である。母があんまり善行を修め過ぎるのではないかと思われた。そこで
我れ知らず言葉に稜《かど》が立ち、そうではありませんよ、というような答えをしなけ....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
。外に一かたまりの人が、何にも見ずに立っていた。わたしは何にも知らずに来たことを
我れながら悔んだが、結局芝居の題目さえも忘れてしまった。 わたしが実際いい芝居....
「六日月」より 著者:岩本素白
ので、つい誘われて再び八瀬へ取って返し、其処から山を踰えて坂本へ下りてしまった。
我れながら余りの愚しき勇猛が悔いられて、その夜は心静かに高台寺の下を歩く。 秋....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
ります。私が五つ六つの頃結うたうしろとんぼの時代は、あれは何時のことだったのかと
我れといぶかしく思うくらいなのですから。 でも、なつかしさはなつかしさですし、....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
どうも今時の人は、ヤレ流行ソレ流行と、着物の柄から髪形から、何も彼も流行となると
我れ勝ちに追ッかけて、それが自分に適ろうがうつるまいが、そんなことは一切合財考え....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を真面目になって研究する馬鹿々々しさに堪えられなかった。二葉亭の当時の日記に、「
我れ今まで薬袋もなき小説を油汗にひたりて書き来りしが、これよりは将た如何にすべき....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
見る如く昏然なり、然れど彼の時(キリストの国の顕われん時)には面を対せて相見ん、
我れ今知ること全からず、然れど彼の時には
我れ知らるる如く
我れ知らん」とパウロは曰....