我を張る[語句情報] » 我を張る

「我を張る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

我を張るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
、それだから省作はもう母にかけてはばかに気が弱い。のみならず省作は天性あまり強く我を張る質でない。今母にこう言いつめられると、それでは自分が少し無理かしらと思う....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
えられた現実の問題、運動A→Bではなくて、勝手に静止の方が好きで、そういう好みの我を張ることだけが仕事であるように見える、全体性の原理自身でしかない。 運動と....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
お久美ちゃんも何だ。 お関さんに一から十まで面倒見てもらってるんだから決して我を張る様な事が有っちゃあならないのさ。 ね、まあ訳を話しておくれな、お関さん....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いるように見える。「が、どのように我を張っても、しまいにはきっと退治られる奴さ!我を張るだけが馬鹿というものさ。それに苦痛の事ではなし」 「そうだ」とすぐに答え....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
、「あんなものを書こうとするのがすでに、君が俗っぽくなった証拠さ。――つまらない我を張るのはよして詩を書きたまえ、詩人でない君なんてありはしない」 僕はこの時....
生きること作ること」より 著者:和辻哲郎
者を憐れみ、怒るものをいたわることすらもなし得ない。力の不足は愛の不足であった。我を張るのは自己を殺すことであった。自己を愛において完全に生かせるためには、私は....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
「じゃ、お綱、これほど俺が頼んでも、得心してくれねえのか」 「決して、分らない我を張るのではないけれど、万吉さん、私のほうからもこの通り、一生涯のお願いだから....