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我一
「我一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
災であった。事変の起りやすい狩場などでも、彼は軽捷《けいしょう》に立ち回って、怪
我一つ負わなかった。その上に、忠利侯の覚えもよかった。 二、三年経つうちにも、....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
。また秀吉三楽に向って曰く、「御身は智仁勇の三徳ある、良将なり、されど小身なり、
我一徳もなし、しかし天下を取るが得手なり」と。大小の戦い七十九度、一番槍二十三度....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
事は不慮の為進退軽々しき心持候。さあるからに親類以下散々に智慮外の体|見及候得共
我一代は兎角の義に及ばず候と思、上下の分も無き程に候へ共覚悟前ならば苦しからず候....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
った十目勝ったというその時の心持を楽んで勝とうと思って打つには相違ないが、彼一石
我一石を下すその一石一石の間を楽む、イヤそのただ一石を下すその一石を下すのが楽し....
「梨の実」より 著者:小山内薫
とりでにヒョイと明いて中から子供が飛出しました。首も手も足もちゃんと附ていて、怪
我一つしていない子供が、ニコニコ笑いながら、みんなの前に立ちました。 やがて、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ついて戸を出ました。月は晃々と露もある、停車場のたたきを歩行くのが、人におくれて
我一人…… ひとつ映りまする我が影を、や、これ狐にもなれ、と思う心に連立って、....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
蛇屋が貯えたその大瓶の圧蓋を外すと、何ですとさ。黒焼の註文の時だと、うじゃうじゃ
我一に下へ潜って、瓶の口がぐっと透く。……放される客の時だと、ぬらぬら争って頭を....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
クに自然に谷底へ落ちたのである。 ところが、私は死ななかった。それどころか、怪
我一つしなかった。十貫目のリュックサックのオカゲである。私は岩の上へ落ッこったが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が運の尽きだが、いかな達人といえども、火急にせまられて身を処す際には仕方がない。
我一人じゃア手がまわらねえや。浅虫家ほどの金持なら、ゆすられる金額はアブがとまっ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の光を受けて、刻りを深くし、彫刻のような端麗さを見せていた。 「事ノ利ト云フハ、
我一ヲ以テ敵ノ二ニ応ズル所也。譬バ、撃チテ請ケ、外シテ斬ル。是レ一ヲ以テ二ニ応ズ....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
ふかき上帝の御側に救い取られしを信じて疑わず、後世安楽を信じて惑わず、更に起って
我一身のため、わが一家のため、奮って世と戦わんとするものなり。哀悼愁傷、号泣慟哭....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
たり草鞋を作らざるべからずとて、材料を求むるに、綱、縄などのみにても間に合わず、
我一行より不用なる手拭、風呂敷などを与えたるに、嘉助氏と温泉の人夫とが、四足の草....
「時勢と道徳観念」より 著者:喜田貞吉
大賊党に比せず。又位を諍ひ国を奪ふの大盗よりも軽し。然らば末代は皆賊世なり。たゞ
我一人のみにあらざるなり。夫れ殷湯の夏を奪ひ、周武の紂を伐つ、何ぞ尭舜揖譲の政に....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
雲霞のごときにこの勢いをもってしたれば、上諸侯より下町人まで先を争い財を投じて、
我一番に福田へ種子を投じて後の世を安楽くせんと、富者は黄金白銀を貧者は百銅二百銅....
「性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
我は部下と共に出稼ぎに出て、ぬば玉の闇の夜に、人間の村の、村の下手に船を着けた。
我一人村の中央へ歩いて行くと、思いもかけず、大きな家の、家の内部から、焚火の光が....