我利[語句情報] » 我利

「我利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

我利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火の鳥」より 著者:太宰治
仕合せでない。あなただってそうよ。やっぱり、どこか、ずるいのよ。けちな、けちな、我利我利《がりがり》が、気持のどこかに、ちゃんと在るのよ。あなたが勝手に責任感じ....
女の決闘」より 著者:太宰治
もりでありました。女性は男に愛撫されたくて生きている。称讃されたくて生きている。我利我利。淫蕩《いんとう》。無智。虚栄。死ぬまで怪しい空想に身悶《みもだ》えして....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
ためではないのである。しかし弓を動かす演奏者の手首がわがままに堅くては、それこそ我利我利という不快な音以外の音は出ないであろう。そうしてそういう音では決して聞く....
蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
の人々は積極的なようではあるが、また無用な勢力の浪費者であり、人の迷惑を顧みない我利我利亡者のように見える。しかし甲はまたある場合に臨んで利害を打算せず自他の区....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
った。このスクルージは! 絞り取る、捩じ取る、掴む、引っ掻く、かじりつく、貪欲な我利々々爺であった! どんな鋼でもそれからしてとんと豊富な火を打ち出したことのな....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
邪気なものと逸作もかの女も思っては居なかった。子供は無邪気に見えて、実は無遠慮な我利我利なのだ。子供は嘘を言わないのではない。嘘さえ言えぬ未完成な生命なのだ。教....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
も古代の思想で、これは人間一個自立自存の思想であるから、勇猛心を代償として尚かつ我利我利妄者であるべきかという豪傑と仁義に関する思想であり、さすがに中世ともなれ....
天皇陛下にさゝぐる言葉」より 著者:坂口安吾
なものであるとはいえ、天皇の旅行のため、特別の一車を仕立てることに立腹するほど、我利我利でありたいとは思わない。 然し、特別に清掃され、新装せられた都市や農村....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
係をも、客観的に、また、唯物的に見ることの欠除である。みんなが、無自覚、無批判に我利々々でありすぎる。 特に集団的にそうなり易いもので、ストの性格がそうである....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
んのジロリを反撥し合って両々ソッポの向けっくらでも一向に気にもかけない。姐さんは我利々々の凄腕の冷めたくって薄情者の男だましの天才なのよと色々と内幕をあばいてき....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
あるのだろうか。 ところが女房となると全然別種の人間で、これぐらい愚痴ッぽくて我利我利人種はないのである。職業軍人の奥方をのぞいたら、女房と名のつく女で戦争の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ぐらいで、許せないわ。兄さんは乞食になっても、私の生活を保証する義務があるわよ。我利々々のダマシ屋の卑怯ミレンなイカサマ師だわねえ」 小花は喚きたてたが、久五....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
多くの農村にあるべきようだ、という思いにもさせられるのである。やりきれない暗愚、我利々々の世界である。この手紙の中でせめてもの救いは、農村からの中傷にも拘らず、....
名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
のするのも争はれない真実であらう。『と同時に』を今一つ、名古屋人の心が、薄情で、我利々々だといふことも、口惜しいけれど是認しなければならぬと思ふ。おや、こんな悪....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
面ばかり華かな文化に飾られ、優雅な装いに塗りかくされてはいるけれど、人間達はみな我利私慾に惑っている。……「素朴な」人間の心を喪失している。都の人達はみんな利己....