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「我執〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

我執の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》して自分の妄執《もうしゅう》のはかなさをしみじみと思いやった葉子はいなかった。我執のために緊張しきったその目は怪しく輝いた。そして大急ぎで髪のほつれをかき上げ....
「春の盗賊」より 著者:太宰治
、――私は、そう重く、鈍く、自己肯定を与えているのであるが、――すべては弱さと、我執《がしゅう》から、私は自身の家をみずから破った。ばらばらにしちゃった。外へ着....
「女の決闘」より 著者:太宰治
五体しびれる程の強烈な歓喜を感じている様子であります。神を恐れぬこの傲慢、痴夢、我執、人間侮辱。芸術とは、そんなに狂気じみた冷酷を必要とするものであったでしょう....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
いた不快な感情が再びむらむらと帰ってくるのをおぼえた。大尉は、死際になってもまだ我執《がしゅう》を捨てない中尉を心から卑しみ、心から憎んだ。彼はつまらぬ暇つぶし....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
及ばない上に、良将を率い用いる力と眼識が無く、かく老将を抑えて自分を出そうとする我執がある。旗下の諸将との間が、うまく行かなかった事は彼の為に惜しむべきであった....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
学の兄弟相かわらず随分｜睦まじく相交わり、互いに古学興隆の志を相励み申すべく、我執を立て争論なぞいたし候儀これあるまじき事。 右の条々、謹んで相守り申すべく候....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
く楽しく遊んだのだ。好くも好かれるも、五月の風に騒ぐ木の葉みたいなものだ。なんの我執も無い。あたらしい男は、またひとつ飛躍をしました。 その夜、摩擦がすんで、....
「思案の敗北」より 著者:太宰治
である。ああ、私の愛情は、私の盲目的な虫けらの愛情は、なんということだ、そっくり我執の形である。 路を歩けば、曰く、「惚れざるはなし。」みんなのやさしさ、みん....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
い敵、味方としては堅城鉄壁のようなものである。然し是の如きの人には、ややもすれば我執の強い、古い言葉で云えば「カタムクロ」の人が多いものだが、流石《さすが》に氏....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
さるほどに蝦蟇法師はあくまで老媼の胆を奪いて、「コヤ老媼、汝の主婦を媒妁して我執念を晴らさせよ。もし犠牲を捧げざれば、お通はもとより汝もあまり好きことはなか....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に判りの悪い者でも最後にはおとなしく耳を傾けることになって了います。私などは随分我執の強い方でございますが、それでもだんだん感化されて、肉身のお祖父様のようにお....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
、いわば劫初の気持であり、開運の徴でもある。それに較べると、現に連れ添うている、我執をもつ僕の妻なんかは、実に奇妙な者のような気がしたのであった。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
殆んど同義語と思われるまでに近づいて来たということは、同時に彼の対人生の態度が、我執と反抗から一歩一歩と謙抑と調和への道を辿りつつあった証拠だといえないだろうか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
分に訴えているだけなのだ。それを醜いと思う心こそ、何にもまして醜い心ではないか。我執と自負と虚偽とのわなにかかって身もだえしている嫉妬心の亡者、それ以外に今の自....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
べからざること、人力以上のもののあること、それらを体験的に弁えた人であるが故に、我執も除かれ、万事、実相に明らかな眼で誰人とも応酬出来る。そこを「話が判る」と言....