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我慢
「我慢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
我慢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
今になって考えましても、身ぶるいが出ずには居《お》られません。そこで私もとうとう
我慢が出来なくなって、合掌した手をさし上げながら、眼をつぶって恐る恐る、「南無《....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ながら、彼自身意識して誇張した売文の悲劇に感激した。同時に平生尊重する痩《や》せ
我慢《がまん》も何も忘れたように、今も片手を突こんでいたズボンの中味を吹聴《ふい....
「河童」より 著者:芥川竜之介
のにならないと言やがるんだ。」
「しかし君は音楽家だし、……」
「それだけならば
我慢《がまん》もできる。僕はロックに比べれば、音楽家の名に価しないと言やがるじゃ....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
す。
小説家 まだ最後ではないのです。もう少し後《あと》があるのですから、まあ、
我慢して聞いて下さい。
× × ....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
いたことを思い出した。それは僕の少年時代に或餓鬼大将にいじめられ、しかも泣かずに
我慢して家《うち》へ帰った時の心もちだった。
何度も同じ小みちに出入した後、僕....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を拳骨《げんこつ》で一つどんと叩くと、
「所がだ。惚れられるまでは、まだ退屈でも
我慢がなるが、惚れられたとなったら、もう万事休すだ。征服の興味はなくなってしまう....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
天に炭火を擁《よう》したり、大寒に団扇《うちわ》を揮《ふる》ったりする痩《や》せ
我慢の幸福ばかりである。
小児
軍人は小児に近いものである。英雄らし....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
イ何《なん》とかの脚でもかまいません。少々くらい毛脛《けずね》でも人間の脚ならば
我慢《がまん》しますから。」
年とった支那人は気の毒そうに半三郎を見下《みおろ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
新蔵で、さてこそ命にかかわると云ったのは、この婆の差金だろうと、見てとったから、
我慢が出来ません。じりりと膝を向け直すと、まだ酒臭い顋《あご》をしゃくって、「大....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
名がないと、大に僕を軽蔑した。そこで僕も黙っていると負けた事にされるから暑いのを
我慢して、少し議論をした。どうせ暇つぶしにやる議論だから勝っても負けても、どちら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れにつれて、日ましに募って来るのは姫さまをお慕い申す心で、こればかりは何うしても
我慢がしきれなくなり、幾度神様に、逢わせていただきたいとお依みしたか知れませぬ。....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
の神が、空から降りて来る時に、きっと聞える声なのです。 もうこうなってはいくら
我慢しても、睡らずにいることは出来ません。現に目の前の香炉の火や、印度人の婆さん....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
立てていては、到底際限がない位、あらゆる責苦に遇わされたのです。それでも杜子春は
我慢強く、じっと歯を食いしばったまま、一言も口を利きませんでした。 これにはさ....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
路を駈け登った。時時涙がこみ上げて来ると、自然に顔が歪んで来る。――それは無理に
我慢しても、鼻だけは絶えずくうくう鳴った。 竹藪の側を駈け抜けると、夕焼けのし....
「寡婦」より 著者:秋田滋
その娘を自分の屋敷へつれて行ったのですが、まもなく、その娘が側にいなければ片時も
我慢が出来ないと云うほど、のぼせ切ってしまったのでした。同じ屋敷に住んでいた娘さ....