我欲[語句情報] » 我欲

「我欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

我欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
霏。行尽平蕪遠。題詩古寺扉。孤愁高雲際。大空断鴻帰。寸心何窈窕。縹緲忘是非。三十我欲老。韶光猶依々。逍遥随物化。悠然対芬菲。 ああ出来た、出来た。これで出来....
丹下左膳」より 著者:林不忘
して。 その秘図一つに、いまや柳生一藩の生命がかかり、また、いつの世も変わらぬ我欲妄念《がよくもうねん》の渦がわきたっているのだ。 パッと壺の蓋をとった越前....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
源泉たることを得るのである。 私はO市の冬ごもりの間に思想を一変してしまった。我欲な戦闘的な蕭殺とした私の心の緊張はやわらかに弛み、心の小溝をさらさらとなつか....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
は叫んだ、「お前さんはもう俗世界の手で、私の与える光明を消そうと思うのか。俗衆の我欲がこの帽子を拵えて、長の年月の間にずっと私を強いて無理に額眉深にそれを被らせ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
五十とまとまったものを調達できたのか、これが第一の不審だが、それはそれとしても、我欲に眼のくらんだおさよが、選《よ》りに選《よ》って自分のところへ交渉方《かけあ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
高童子が一番割りがいい。 押しあい、へし合い、肩を揉み足を踏んづけあって、執念我欲の図……。 「痛えっ! 髷《まげ》をひっぱるのあ誰だっ!」 「おいっ、襟首へ....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
聖明なるものと定め、賢良方正の士を挙げてこれを輔《たす》け、一片の私心なく半点の我欲なく、清きこと水のごとく、直《なお》きこと矢のごとく、己が心を推して人に及ぼ....
夏目先生の追憶」より 著者:和辻哲郎
虞美人草』に至っては鮮やかな類型的描写によって、卑屈な利己主義や、征服欲の盛んな我欲や、正義の情熱や、厭世的なあきらめなどの心理を剔抉した。その後の諸作において....
五重塔」より 著者:幸田露伴
でもないに身勝手ばかりは我も云わぬ、つまりは和熟した決定のところが欲しいゆえに、我欲は充分折って摧いて思案を凝らして来たものの、なお汝の了見も腹蔵のないところを....
「ゼエレン・キェルケゴオル」序」より 著者:和辻哲郎
子の関係、自分の仕事などについての種々の心持ち。)個性と愛とを大きくするための主我欲との苦闘。主我欲を征服し得ないために日々に起こる醜い煩い。主我欲の根強い力と....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
す。 貪というのは、人間の本能欲です。眼前のいろいろのものを、惜しみ、欲しがる我欲です。瞋というのは、いろいろのことに怒ることです。他人のことに口惜しがり、ま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
てえんだ」 そこらから始まって。 「上役人は、賄賂の取り放題だし、坊主は強訴と我欲のほかはねえ金襴の化け物だ。地頭は年貢いじめにもすぐ太刀の反りを見せ、妾囲い....
私本太平記」より 著者:吉川英治
主家の上杉家には、うぬの縁故や老幼か残っているはず。その者たちを、どう思うのだ。我欲の贄としてもかまわぬつもりか」 「いらざる世話だ。そんなものをかまッていたら....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、その貴相は、福禄のそれではなく、堂上におごる人のそれともちがう。どうみても我利我欲の強さには欠けている。では私の自我心はないのか。それもちがう。おそろしい大自....